労働者たちが集まるプチ歓楽街へ

 ともあれ、これだけ工場がたくさん並んでいるということは、働く人もそれだけたくさんいるということだ。

 そしてその最寄り駅が、小島新田駅だ。この川崎大師駅よりも少し先の終着駅の役割は、海沿いの工業地帯で働く人たちの通勤の駅でもある。

 

 だから、ということなのだろうか。小島新田駅の近くには何軒かの酒場が看板を出している。大学生が集まるようなそれでもないし、カップルがデートに使うような店でもない。仕事帰りの労働者たちがちょっと一杯引っかけて、今日の膿を落として明日の活力を得るような、そういう酒場だ。

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 訪れたのが昼間だったから酒場も暖簾を出していなかったし、小島新田駅にもひとけはなかったが、夕暮れ時にはきっと賑わうのだろう。

 馴染みの店で、見知った顔と。真新しくなった駅舎とはやや不釣り合いな、昭和の駅前風景がまだ小島新田駅には残っているようだ。

 

 ちなみに、京急大師線の沿線には他にも工場がいくつかあるし、競馬場や競輪場といった庶民の娯楽場も用意されている。武骨で、ときに殺伐とした工業都市という川崎のイメージは、こういうところから形作られてきたのかもしれない。

 といっても、いまの小島新田駅はそれほど“工場地帯の最寄り駅”一辺倒という駅でもない。