川崎大師は、JR川崎駅から東に3km近く離れた場所にある。初詣シーズンには川崎駅前から直行バスが運転されているが、基本的なアクセスは京急大師線だ。京急川崎駅から3つめ、約5分の川崎大師駅で降りて参道を歩けば、川崎大師にたどり着く。

 この京急大師線、終点まで全部で7駅、わずか4.5kmという短い支線だ。一方で、日中も10分間隔で走っているように需要は大きく、沿線には川崎大師以外にも工場や競馬場、マンションなどが並んでいる。

 さらにもうひとつ。1899年に大師電気鉄道として開業したときは、関東では初めての電車運転だった。それがそのまま京急のネットワークの原点になった。短い支線であっても、歴史に刻んだ足跡はなかなか大きいものなのだ。

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 そんな京急大師線、1899年の開業時の終点は川崎大師駅(当時は大師駅)だった。しかし、いまは川崎大師駅から少し先まで線路は続く。京急大師線の終着駅は、小島新田駅である。

京急大師線“ナゾの終着駅”「小島新田」には何がある? 撮影=鼠入昌史

ナゾの終着駅「小島新田」には何がある?

 京急川崎駅から大師線に乗って10分ばかりの小島新田駅。大師線はひとつ手前の大師橋駅付近で産業道路をアンダーパスするために地下を走る。地上に再び顔を出してすぐに、終点の小島新田駅に到着するというあんばいだ。

今回の路線図。お正月には初詣に向かう客で賑わう大師線。桜本までの赤線は廃線区間である。

 島式ホーム1面2線、小さくシンプルな終着駅だが、駅舎は2024年にリニューアルしたばかり。ホームの先端からコンパクトで真新しい駅舎へと続いている。