2022年は日本の鉄道にとって150周年の節目の年である。乗車券を買ったお客を乗せた鉄道は、1872年6月12日に品川~横浜間で仮開業。この時点では駅は品川と横浜だけだったが、おおよそひと月後の7月10日には品川と横浜の間に日本で3番目の駅が開業している。それが、川崎駅だ。

 つまり川崎駅は日本ではじめての途中駅、ということになる。

1月に賑わうJR&京急“ナゾの途中駅”「川崎」には何がある?

 川崎駅は、東京と横浜の真ん中にあって、なんとなくでっかい駅だということ、政令指定都市でもある川崎市のターミナルであるということ、あとは、ラゾーナ川崎というドデカい商業施設が駅から直結しているということはよく知られている。

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 ただ、せっかくの政令指定都市のターミナルなのに、なんだか地味である。やっぱりこれは、東京と横浜という大都市の狭間にある川崎という町の立ち位置ゆえなのだろうか。そして鉄道的な見方をすれば、ちょっと不遇な存在でもある。

今回の路線図。「川崎」は品川と横浜の間に日本で3番目の駅として開業した、まさに“日本ではじめての途中駅”だ

 東京と横浜の間は東海道線・京浜東北線のほかに横須賀線や湘南新宿ライン、京急線、東急線と数え切れないほどの路線が結んでいる。日本一の大都市と二番目の大都市なのだからあたりまえだ。

 ところが、これらの鉄道路線のうち、川崎駅を通るのは東海道線・京浜東北線・京急線だけなのだ。湘南新宿ラインも東急も、川崎駅には目もくれずに一目散に横浜を目指してしまう。日本初の途中駅というエポックメーキングな存在にしては、ずいぶんぞんざいな扱いである。

「川崎」が1年で最も賑わう瞬間、それは…

多くの人が利用する「川崎」だが、お正月は特に賑わう

 ともあれ、開業150周年を迎えようとしている、そんな川崎駅がいちねんで特に賑わいを見せるのがお正月。言うまでもなく、川崎大師、初詣だ。

 まあ、現実的には川崎駅は初詣があろうがなかろうが、ラゾーナ川崎やら乗り換えやらあれやこれやで年がら年中賑わっているのだが、とにかく他の地域からもいざ川崎と人がやってくるのは、いちばんに川崎大師の初詣のシーズンといっていい。

 東海道線の川崎駅の地上ホームから橋上駅舎のコンコースに登り、中央改札を抜ければ駅の東西を自由通路が結んでいる。このあたりは日本中の鉄道駅でおなじみの構造で、だいたい待ち合わせの人などはこの自由通路の真ん中あたりをうろつく。じゃまだなあと思ったりもしたが、待ち合わせの人にとってはカメラを持ってうろうろしているこちらのほうがジャマものである。