さらに日本のエンタメ史を振り返ってみても、ここまで世界で成功し、かつ日本国内でも高い知名度とブランド力を維持している日本人女性スターは、決して多くない。サナはその数少ない例のひとりだ。

 しかも彼女は「海外で活躍する日本人」「逆輸入スター」といった枠ではなく、日本市場においても「地元のスター」。そして日本のファンがサナに感じているのは、本来遠い存在でありながらも、ほっとさせてくれる安心感と親しみやすさなのではないだろうか。

サナは大阪府出身 ©時事通信社

 世界的な成功を収めてもなお、自国・他国の文化へのリスペクトを忘れず、ファンの前では真摯であろうとする姿勢。多くの人がスターに求める「親しみ」や「信頼」、そして「長く応援できる存在」という価値観とも、自然と重なっている。

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過去最大規模のワールドツアー、初の国立競技場ライブも

 サナにとっては20代最後の1年となる2026年。メンバー・チェヨンの体調不良と休養という心配なニュースもありつつ、TWICEの快進撃は約束されている。昨年より続く、結成10周年を記念したワールドツアーの追加公演が発表されたのだ。

 年明けすぐの1月9日(現地時間)にバンクーバーから再スタート、台北と北米の20地域を訪れた後に、バルセロナ、パリ、ロンドンまでヨーロッパの計28地域でライブを開催。これはTWICEにとって過去最大規模のワールドツアーとなる。

国立競技場での3日間公演が決定(TWICE公式Xより)

 加えて、日本では単独での海外アーティスト初となるMUFG STADIUM(国立競技場)での3日間公演。国内でコンサートができる施設の中では最大級、1日8万人を動員可能で、360度のステージ。TWICEの“格”、そしてアニバーサリーイヤーの集大成にふさわしい会場だ。

 ワールドツアーの追加公演、そして記念すべき国立競技場の単独コンサートを経て次のフェーズへ。名実ともに成熟したアーティストとして、これからの活動を楽しみにしたい。

最初から記事を読む 「日本に帰ろう」デビュー前に“脱走”を計画→意外な結果に…15歳で韓国に渡ったTWICEサナ(29)がK-POPスターになるまで

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