最新作で描かれる“分断工作”と“意外な裏切り”
2作目で、サリー一家は長男ネテヤムを失うという悲劇に直面。その直後から始まる3作目は、彼らをより残酷な場面に連れていく。資源獲得のためにパンドラの支配を試みてきたスカイ・ピープルこと人間に加え、同じナヴィでありながら「エイワ」を信じないアッシュ族が、敵として登場するのだ。その展開は、「人類の歴史にインスピレーションを得て生まれたものだ」と、キャメロン。
「ヨーロッパ人がアメリカ大陸にやってきて、まず行ったことは何だろうか? ネイティブ・アメリカンの部族となんとかコミュニケーションを取れるようにし、取引を始めることだ。次に狙ったのは、分断させること。武器を提供したりして、お互いを戦わせたんだ。このシリーズはこれまでも植民地主義、搾取、土着の文化を破壊することなどについて語ってきたから、観客もこの流れには納得するだろう」(キャメロン)
「ジェイクとクオリッチは似ているんだよ」
実際にクオリッチは、アッシュ族のリーダー、ヴァランに人間の武器を提供し、取り入ろうとする。「昔から“敵の敵は味方”という表現があるよね。けれど、意外な者たちが手を組むと、最後には裏切りがあるんだ」とラングが言うとおり、状況はどんどん複雑になっていく。クオリッチ大佐の息子でありながらサリー一家の一員として生き続けると決めたスパイダーの存在、そしてクオリッチは人間として一度死んでいることも、混乱を呼び込む。
「元の体を持たないクオリッチ大佐は、ジェイクのようにナヴィになることがあるのか。それとも彼は今もあくまで軍隊の人間にすぎないのか。片や、ナヴィになったジェイクは、もともとの自分の仲間、つまり人間と戦うことになった。よく考えると、ジェイクとクオリッチは似ているんだよ。初めてアッシュ族を見た時、一瞬とはいえ、クオリッチはジェイクと同じ側に立つ。一方、スパイダーは、人間とナヴィの狭間で両方から引っ張られる。スパイダーは、3作目で非常に重要なキャラクターになるよ。今回はそういう興味深いことがたくさん起きるんだ」(キャメロン)
彼らを振り回し、脅威を与える悪役ヴァランを演じるのは、スペイン人女優ウーナ・チャップリン。チャーリー・チャップリンの孫娘である彼女は、オーディションでこの役を手にした。
