「まるで漫画のキャラクター」「顔と肉体のギャップがスゴすぎ」と話題の女性ボディビルダー・みさみささん(31)。現在は世界最高峰のコンテスト「オリンピア」の頂点を目指し、アメリカを主戦場に活躍している。

 陸上競技の実業団選手からボディビルの世界へ転身した彼女は、日々どんなトレーニングと食事管理を行っているのか。その鍛え上げた肉体に対して、時として「女がこんな体なんて、気持ち悪い」といった誹謗中傷も浴びるといい、そうした声にどう向き合っているのかも聞いた。

元バスケットボール選手だったという母の下、保育園には徒歩通園するなど「エリート教育」を受けてきたというみさみささん(写真=本人提供)

1日5~6食、ほぼ同じものを食べ続ける

 日々の食生活について、みさみささんはこう語る。

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「食事はすべてコーチの指示に従い、ほぼ毎日同じメニューを食べるように徹底しています。コストコで鶏胸肉のひき肉や卵白をまとめて買って、それらを一緒に炒めて野菜を加え、スパイスで味付けするのが定番メニューです。これを1日に2~3回は食べます」

 ほかにはサーモンや牛赤身肉を焼いて食べることが多く、だいたい1日で5~6食。「こういう食事をずっと繰り返しても、まったく飽きないんです」と話す彼女には、チートデイの代わりに「ハイカーボデイ」と呼ばれる、炭水化物を多めにとれる日がある。

「その日は通常の約3倍の炭水化物を食べられるので、前日から楽しみで仕方ないです。『やっと食べられる日だ!』という気持ちになり、朝4時くらいに目が覚めることもありますね」

©佐藤亘/文藝春秋、撮影協力:メトロフレックスジム 埼玉店

「ゴリマッチョ」なボディをどう作り上げている?

 トレーニングは「2日トレーニングして1日休む」というリズムで回している。起床後は7匹の猫の世話をしてから有酸素運動、昼にはジムで約1時間のトレーニング。睡眠は昼に2時間昼寝して、夜も9時間ほど眠るので、1日およそ11時間も確保している。

「初心者のころは『毎日無理してでもトレーニングしないと筋肉が落ちてしまうんじゃないか』と焦っていた時期もありました。今では上手に休むことで強くなれると考えられるようになっています」

 女性ボディビルダーにとって深刻な問題が、競技と妊活の両立だ。みさみささんは「自分の場合はかなり絞り込むスタイルなので、そのたびに生理が止まってしまって」と明かす。2022年にプロ資格を得てからは、数年間コンテスト出場を控え、妊活治療に専念した。2024年の秋には受精卵の凍結も経験している。

2022年、プロ資格を得た「OLYMPIA AMATEUR JAPAN」での1枚(写真提供=本人)

「こんな体で妊娠できるの?」「女がこんな体なんて、気持ち悪い」と言われることも……

 アイドルのようなビジュアルと、鍛え抜かれた筋肉のコントラストが注目を集める一方で「こんな体で妊娠できるの?」「女がこんな体なんて、気持ち悪い」といった声も増えた。最初は多少気にしたというが、今ではそんな雑音も気にならなくなったという。

「何を言われても自分の好きなように生きるという信念に従って、気にしないようにしています」

 2025年から本格的にアメリカのIFBBプロ大会へ参戦し、数多くの主要大会で入賞を果たしているみさみささんの世界一への挑戦は、まだ始まったばかりだ。


 もともと陸上競技で活躍していたみさみささんが、未知のボディビルという世界に飛び込んだきっかけや、転身した当初に苦労したエピソードなど、インタビュー全文は下記のリンクよりお読みいただけます。

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