「まるで漫画のキャラクター」「顔と肉体のギャップがスゴすぎ」と話題になることもある女性ボディビルダーのみさみささん(31)。現在は「IFBB PROボディビルダー」として活動し、世界最高峰のコンテストとされる「オリンピア」の頂点を目指して日々トレーニングを重ねている。

 ボディビルを始める前は「最も過酷な陸上競技」といわれることもある混成七種競技の実業団選手だったというみさみささん。それまでボディビルとは全く縁がなかったという彼女は、なぜボディビルの世界に足を踏み入れたのか。本人に聞いた。(全2回の2回目/#1から続く

左がみさみささん。夫婦の趣味だという海外旅行にて撮影した1枚(写真=本人提供)

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1日5~6食、ほぼ同じものを食べ続ける

――ボディビルダーは、理想的な筋肉のために厳しい食事管理が求められるかと思います。普段の食生活について教えてください。

みさみささん(以下、みさみさ) 食事はすべてコーチの指示に従い、ほぼ毎日同じメニューを食べるように徹底しています。コストコで鶏胸肉のひき肉や卵白をまとめて買って、それらを一緒に炒めて野菜を加え、スパイスで味付けするのが定番メニューです。これを1日に2~3回は食べます。ほかには、サーモンや牛赤身肉を焼いて食べることが多く、だいたい1日で5~6食ですね。

 こういう食事をずっと繰り返しても、まったく飽きないんです。多少メニューを変えてもいいのですが、変えるのが面倒で、結局ほぼ同じものを毎日食べています。

厳しい食事制限で、美しい肉体を作り上げている(写真提供=本人)

――減量や厳しい食事制限中、一時的に食事制限のストレスの緩和を図ってたくさん食べる「チートデイ」は設けていますか? 

みさみさ 私の場合は「ハイカーボデイ」と呼ばれる、炭水化物を多めにとれる日をつくっています。仕上げ期は週に1回、それ以外の時期は2~3週間に1回ほどのペースで、コーチの体調チェックと指示に合わせて実施します。

 その日は通常の約3倍の炭水化物を食べられるので、前日から楽しみで仕方ないです。「やっと食べられる日だ!」という気持ちになり、朝4時くらいに目が覚めることもありますね。

チートデイの代わりに設けているハイカーボデイが、大きな楽しみだという(撮影協力:メトロフレックスジム 埼玉店) ©佐藤亘/文藝春秋

――減量期にはさらに厳しい食事制限があると思います。どんな工夫で乗り切っていますか?

みさみさ 私は人が食べている様子を見るだけでかなり満足できるタイプなので、好きな食べ物を周りの人に食べてもらい、その姿を見ることで気を紛らわせています。減量期になるとお菓子を周囲に配りまくって「太るからやめて」と友達からクレームが来ることもありますね(笑)。パンが大好きなので、今シーズンもよく周りの人にパンを差し入れしていました。