“身内犯行説”を一蹴する決定的証拠
クラーク氏もまた、新たな事実を発見している。ジョンベネ殺害事件に関わった元FBI捜査官から得た、まだどのメディアも掴んでいない貴重な情報だという。
「その元FBI捜査官はラムジー家の電話記録を調査した。彼によると、脅迫状を見つけたラムジー家が最初に電話したのは警察ではなく、弁護士だったということだ。脅迫状には“警察に通報したらジョンベネを殺す”と書かれていたので、まず、弁護士にどうしたらいいか相談したのだろう。しかし、弁護士から警察に通報するようアドバイスを受けたので、母親のパッツィーは通報したのだと思う」
確かに、パッツィーが犯人の指示に従うことなく警察に通報したことは疑問視されていた。それはまた、ジョンベネ殺害はラムジー家の自作自演ではないかという疑念も生み出していた。その意味で、この新たな事実は身内犯行説を改めて否定するものと言えるかもしれない。
殴打に使われたのは懐中電灯ではなかった?
クラーク氏はまた、証拠品の再分析を行うために、高価な法医学用の装置を購入した。殺人現場にあった物と同じ物を購入し、実際に、殺人現場で何が行われたのか再現して、警察の発表が事実かどうか検証しようとしている。
「例えば、ジョンベネは懐中電灯で殴打されたとされているが、殴打に使われたのは懐中電灯ではありえないと我々はみている。
我々はジョンベネがスイス・アーミーナイフ(十徳ナイフ)のスクリュードライバーやレンガのようなもので殴打されたと分析している。実際に検証して得た結果やこれまでの調査結果を、ウェブサイトで公開したいと考えている。
私は誰よりも法医学的に事件を調査してきたと自負している。ジョンベネ殺害事件を調査している人々が、私の行った調査を参考にしてほしいと思う」
「命が続く限り調査を続けたい」
クラーク氏が15年近くに及ぶこれまでの調査結果を公開しようとしているのにはワケがある。今年の春、小腸に癌が見つかり、余命6カ月~3年と宣告されたからだ。癌の摘出手術を行った後、4カ月間、病院とリハビリ施設のベッドの上で過ごし、今も自宅で闘病生活を送っている。
ジョンベネ殺害からちょうど29年になる12月26日からは、抗がん剤治療と放射線治療を行うという。
「残された時間がどれだけあるのかわからないが、命が続く限り、調査を続けて、ジョンベネ殺害犯を裁きにかけたい」
癌と闘いながら、クラーク氏はこれからも調査を続けて行く。
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