今年もまたあの日がやってきた。12月26日。殺害されたジョンベネ・ラムジーの命日だ。
1996年のクリスマスの翌朝、美少女コンテストで優勝を重ねていたセレブ少女、ジョンベネは、コロラド州ボールダーの4階建ての豪邸の地下室で冷たい姿になって発見された。ジョンベネの首には締められた跡があり、頭は殴打され割れていた。
当時、わずか6歳。その痛ましい死は米国を悲しみで覆い、世界にも大きな衝撃を与えた。事件から29年、ジョンベネを殺害した犯人は未だ野放しにされている。(全2本の1本目/続きを読む)
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捜査当局が「新たな証拠が見つかった」と発表
“世界最大の未解決事件”とも言われているジョンベネ殺害事件で、当初、嫌疑がかけられたのはジョンベネの両親やジョンベネの兄だった。事件現場を捜査したボールダーの警察官は殺人事件の捜査経験がなく、犯人が邸宅を出入りした痕跡を見つけられなかったからだ。アメリカのメディアも身内犯行説を有力視し、ジョンベネの両親は時の人として注目された。
しかし、両親や兄に対する嫌疑は、その後、DNA検査で晴れ、外部からの侵入者による犯行説が有力となり、何人かの男性に嫌疑が向けられた。しかし、警察は彼らが犯人であると立証することもできなかった。
事件から29年を経ても犯人を特定できないボールダー警察に対して、市民の苛立ちは根強い。そんな中、12月12日、ボールダー警察のステファン・レッドファーン署長が捜査状況についてこんな発表をした。
「刑事たちは過去1年間に収集した情報に基づき、新たな聞き取り調査と再度の聞き取り調査を実施してきた。新たな証拠の収集と検証に加え、古い証拠の再検証も行い、新たな手がかりを掴むべく捜査に取り組んでいる。技術は常に進歩しており、特に、DNA鑑定関連の技術ではそれが顕著だ」
まるで大きな進展が起きているとでもいわんばかりだが、レッドファーン署長は具体的にどんな人物に聞き取り調査を行い、どんな証拠を新たに収集したかなどの詳細については言及することはなかった。それでも米メディアは「新たな証拠が見つかった」とビッグニュースとばかりに書き立てている。それだけ、ジョンベネ殺害事件に対する注目度は事件から29年を経た今も高い。




