ジョンはまた、トランプ大統領に、米国の犯罪捜査システムの改善も訴えた。米国では、1万8000もの法執行機関がそれぞれ独自に事件を処理しており、管轄区域外の人員は要請がなければ支援を提供できない。ボールダー警察は殺人事件の捜査経験がなかったにもかかわらず、支援を要請しなかったという。ジョンはそこに問題を見出し、「ボールダー警察は支援を仰がなかった。これがこの事件における大きな失敗だった」と指摘した。

 さらに、ジョンは、殺人被害者家族権利法を制定するよう各州に働きかけてほしいとトランプ大統領に求めている。この法律は、殺人事件の捜査が停滞している場合、被害者遺族が別機関への捜査の移管を求められる権利を定めるものだ。

注目される「エイミー暴行事件」との類似性

 そのジョンが注目している事件がある。ジョンベネが殺害された翌年の1997年9月に起きた少女暴行事件だ。

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 ジョンベネは美少女コンテストでは少女ながらもセクシーなダンスを披露していた。それは彼女がダンス・スタジオでレッスンを受けていたからだが、この事件では、同じダンス・スタジオに通っていた少女が、深夜、自宅で何者かに暴行されたのである。しかも、事件が起きた少女の家はジョンの家からわずか2マイル(約3キロ)のところにあった。この事件の犯人も未だ捕まっていない。ジョンはこの事件にジョンベネ殺害事件との類似性を見出し、フォックス・ニュース・デジタルでこう話している。

(ジョンベネの事件と)関連している可能性があることは非常に強く示唆されていると思う。警察は当初、この事件を軽視し、私の知る限り、関連性を検討したことは一度もなかった。当時の警察署長は、『2番目の事件では少女は殺害されていないので、類似した事件ではない』と話していた。バカげた発言だ」

 ジョンベネ殺害事件から9カ月が経過した1997年9月14日に起きた暴行事件とはどんな事件なのか?

 被害者は“エイミー”と名乗る少女。エイミーはジョンベネと同じダンス・スタジオ「ダンス・ウェスト」でレッスンを受けていた。

 事件当日、エイミーと彼女の母親は映画を観に行き、夜遅くに帰宅した。就寝前に、母親は防犯アラームをセットしたが、深夜、エイミーの部屋から話し声が聞こえたので不審に思い、行ってみると、何者かがエイミーを払い除け、2階の窓から飛び降り、逃げて行ったという。エイミーは、この時のことについて、「男に口を塞がれた。男は自分の名前を呼び『お前が誰だかわかっている』『ぶっ殺してやる。黙れ』と叫んでいた」と話している。