サイバーエージェント創業者として数々の勝負を制してきた藤田晋氏は、なぜ競馬やサッカーの世界でも結果を出し続けられるのか? 藤田氏が一貫して実践している“勝率を上げる”ただ一つの考え方を、累計9万部(電子含む)を突破した話題のビジネス書『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』(文藝春秋)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

なぜ馬主、サッカークラブのオーナーとしても成功したのか? ©文藝春秋

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プロの能力を最大限に

 サイバーエージェントの経営者という意味では、私はプロだ。24時間365日この立場で、四六時中、会社のことを考えている。人生の全てを捧げてきたつもりだ。それなのによく知らない人から、いきなり会社のことをアドバイスされる。

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 とっくに私が熟知していることを提案されたり、学生の企業研究みたいな知識レベルで意見してくる人もいる。たまに耳を傾ける価値のある時はあるけど、確率が低すぎて相手にしていられない。もちろん良かれと思ってのことだろうけど、その道に人生を捧げてきた人たちは、レベルが違うのだ。

 競馬やサッカーで、私はたまに「金は出すけど口は出さない、良いオーナー」と褒められることがあるけど、その方が勝てる確率が高いからそうしているだけだ。

 馬主は、保有しているだけでなく、日々の餌代や輸送費までコストをダイレクトに負担しなければならない。株主のようなものともまたちょっと違う。それだけに少し競馬に詳しくなると口を出したくなる。もちろん楽しみ方は人それぞれだけど、単純に勝つことに拘るならば、プロの能力を最大限に引き出すことに徹した方が、私は良いと思う。

2025年はフォーエバーヤングがBCクラシックを勝利するなど、馬主としても藤田氏は絶好調だった(画像:本人提供)

 もちろん対応が不誠実だったり、能力が足りてなかった場合は、対処が必要になるんだけど。凱旋門賞にはいずれまたチャレンジしたい。

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