噛める入れ歯を作ってくれる歯科医リスト

 90歳(当時)と高齢ではあったが、全く元気だった母が、突然神妙な顔で僕に泣き言を言った。

「ご飯を食べると入れ歯が外れて、うまく食事が出来ないんだよ」

 歯医者に行けば入れ歯を治してもらえる、と僕は簡単に考えていた。母には長年通っている「かかりつけ歯科医」がいた。入れ歯の修理など、ある程度の歯科医師なら、誰でもできるものと思っていた。しかし、現実は全く違っていた。

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歯科医師が推薦する「噛める入れ歯を作ってくれる歯科医師」のリスト。文藝春秋PLUSでは住所と電話番号を確認できる ©文藝春秋

 母に付き添って歯医者に行って詳しく状況を説明し、修理をお願いした。すると僕の話を充分に聞いた上で老歯科医師の発した返答は、全く予想外のものだった。

「残念ながら、おばあちゃんはもう歳だから、合う入れ歯は作れないんですよ」

 満足に食事ができなくなったことで、それまで元気だった母がどんどん憔悴していった。

「私は、このまま一生食べられないまんまなのかねえ?」

 このままでは精神に異常をきたしてしまうか、「寝たきり」になってしまう。

 だが、長年信頼する歯科医が無理だと断言するくらいだから、入れ歯を修理するのは、そう簡単ではあるまい。それなら誰に頼めばいいのか? 幸い、仕事柄、歯科界に多くの知り合いがいた。そこでヒットしたのが「入れ歯の神様」として知られる加藤武彦氏だ。

加藤武彦医師

 加藤氏は50年以上も入れ歯を作り続けており、誰もが認める入れ歯の大家である。絶対に無理だと言われた母の入れ歯を治してくれるとしたら、加藤氏をおいて他にいないだろうと僕には思えた。

 しかし、加藤氏は歯に衣着せぬ発言で歯科界では恐れられる存在。その上、75歳を超える高齢であり、三度も脳梗塞を患い、右手・右足にマヒが残る。その加藤氏が依頼を受けてくれるだろうか。僕は意を決して恐る恐るお願いしてみた。すると、意外にも二つ返事で快く応じてくれた。

「うまく修理できるかどうかは保証できないけど、やれるだけのことはやってみますよ」

〈入れ歯を直すとどのような変化が起きたのか。この続きでお読みいただけます〉

※本記事の全文(約7000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年1月号に掲載されています(塩田芳享「入れ歯お治し達人 全国歯科医60人リスト」)。全文では下記の内容をご覧いただけます。

・半日で「噛める入れ歯」に修理
・入れ歯治療は儲からない
・技術のある医師は自費診療に
・「入れ歯難民の最後の砦」
・「戦略的抜歯」
・100人以上の「心ある歯科医師

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出典元

文藝春秋

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