現在、都内のクリニックで働く歯科医の矢作有紀奈さんは、歯大生時代にSKE48のオーディションを受け合格し、一時期は歯大生とアイドルを両立した異色の経歴の持ち主だ。
2022年には国家試験に合格して歯科医となった彼女の現在の活動から、「どうすればいい歯科医に出会えるか」という歯科医への疑問、さらに今後の夢について明かしてくれた。(全3回の3回目/最初から読む)
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SKE48時代メンバーに相談され、審美歯科に興味を持った
――矢作さんは2022年に国家試験に合格しました。その後研修医を経て、職場を決める際にはインスタで決めたそうですね。
矢作有紀奈さん(以下、矢作) 職場をどこにしようかなと考え、色々比較していたらインスタに「うちで働きませんか?」とDMがあったんです。その病院がまさに私が想像していた理想の職場だったんです。港区にあって、病院が綺麗で、自費治療のみのところで働きたいなと思っていたんですが、まさにそういうところにお声がけをいただいて。今振り返ると少し怪しいんですけど(笑)。実際にいってみたら普通のいい院長で、そこで働くことに決めました。
――やりたい分野とも合致していたとか。
矢作 もともと審美歯科(歯の見た目の美しさを重視する分野)に興味があって、そのクリニックでもやっていたんです。
SKE48時代、メンバーが歯並びや顎関節症に悩んでいて、歯大生だったことでよく相談を受けていたんです。そのとき「芸能人でも歯のことでこんなに悩んでいるのだったら、そこを改善できたらいいな」と思うようになって。
今働いているクリニックにも芸能人の方がいらっしゃるんですけど、表で見えている歯はすごく綺麗なんですけど、見えていない奥の部分は虫歯を放置していてボロボロだったりということがあって。すごくかわいい子、それこそ結構有名なアイドルでもそうなんです。こうした状況は歯医者として変えなきゃいけないなと思っています。
あとそのクリニックに入るまで知らなかったんですが、静脈内鎮静法という寝てる間に治療を終わらせるっていうやり方をやっていて、それにも興味を持ちました。
歯科恐怖症にも対応できるクリニック
――寝てる間に終わらせるんですか?
矢作 これまで知名度はあまりなかったんですけど、最近認知されるようになってきた治療法です。鎮静剤を静脈に投与する方法で、全身麻酔と違って呼吸はあるんです。そこで院長からいろいろ教わりました。今はそのクリニックからは出ているんですが、次の職場も静脈内鎮静法をしているクリニックを選びました。最近は歯科恐怖症も認知されてきましたが、そういう患者さんは、静脈内鎮静法ですとスムーズに治療できます。
――矢作さんは歯医者として働いていることを公言されていますが、SKE48時代のファンに働いている場所がバレたりはしませんか?
矢作 もうバレてますね(笑)。結構サイトに載っちゃっているので。実際にファンの方が来ちゃうと大変じゃないですか。私が開業したクリニックであれば来てほしいですけれど、私は雇われの身なので働いているクリニックにもご迷惑をおかけしますし。ただ、ファンのみなさんは常識があるので、知らないふりをしてくれています。

