大学の同級生はみんなお金持ち「上には上がいる」

――歯医者さんって変わった人が多いと聞きました。

矢作 多いですね。歯科医ってほとんどが二世なんですよ。歯科大に入学した時に『花より男子』の世界かと思いました。みんなお金持ちで、ベンツに乗っていたり、エルメスのバッグを持っていますし。

 それまで私の実家は町一番のお金持ちだと思っていたんですよ。近所で一番ニンテンドーDSのカセットを持っていたので。でも大学に入って思い知りました。上には上がいるって(笑)。だから、ご飯とかも大変なんですよ。「みんなでお茶しよう」と行って向かうところが、ホテルのアフタヌーンティーとかなんです。

ADVERTISEMENT

現在の矢作さん 本人Instagramより

アイドル時代の経験が役に立ったこと

――歯科医として活躍されていますが、アイドルの経験は現在の仕事に役立っていますか。

矢作 そうですね、患者さんにフレンドリーに接せられる部分はアイドルをやっていたことが役立っているのかなって思います。あと私は今はインビザライン矯正(マウスピース型の装置で歯並びを矯正すること)のクリニックで働いているんですが、歯並びや顔で悩まれている方って多いんです。

 医学的に正しい歯並びというものがあって、歯科医はみんなそれを目指してしまうんです。ただ自分がかわいく見える歯並びって人それぞれ違っていて、正しさとは別なんです。例えば八重歯だったり、あと顎が引っ込んでいるのは医学的にはダメかもしれないんですけど、それがEラインをかわいくするのに繋がっていたりします。

 私はアイドル時代にいろんなタイプのかわいい子を見てきたし、どんな笑顔がかわいいかというのはわかるので、その子らしいかわいさを引き出して上げるのは得意かもしれないです。

――歯科医としては今後独立を考えていらっしゃるんですか。

矢作 今の勤め先で分院長を探しているんですけど、分院長になってしまうと忙しくなっちゃうなと思ったので断りました。私は仕事というよりは、自由を求めるタイプなので。雇われて自由に生きた方が楽かなって思ってます。

©山元茂樹/文藝春秋

 もともとは開業してバリバリやっていこうという気持ちもあったんですけど、歯医者はいっぱいあるので。レッドオーシャンの中に飛び込んで戦っていくのは難しいかなと思って、今は自由な働き方を求めて働いてます。

――その中で、今後はタレント業と両立してやっていくというのが一つのやりたい方向なんですね。

矢作 そうですね。ただ今は事務所に入っていないんです。かといって自分で仕事を取りに行くことがなかなかできなくて。自分の方向性を失っていて、なかなかSNSの更新もできていなかったんですけど、もう1回頑張ろうかなと思っています。今後はインフルエンサー的な感じで歯についての情報を発信しながら、アイドルとは違う文化人みたいな感じでやっていけたらなと思っています。

最初から記事を読む 「もしかしたら私、いけるのかも」2浪して歯科大入学→SKE48のメンバーに…元“歯科ドル”の矢作有紀奈が語る、「二足のわらじ」生活の意外な始まり

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。