もちろん、マークスがメタノールの危険性を知っていたことは言うまでもない。
そこで浮上してきたのが、彼がメタノールではなくエタノールを飲もうとしていた疑いである。石炭や天然ガスから作られるため人体に有害なメタノールに比べ、エタノールは糖やデンプンから作られており人体への悪影響は少ない。
そのことを知ったうえでマークスはエタノールを飲もうとしたが、間違えてメタノールを摂取してしまったのではないかと考えられたのだ。エタノールとメタノールは見た目や味、臭いが似ており、薄めて飲めば区別するのは困難。基地内での保存方法が曖昧なこともあって、判断を誤った可能性は十分にありうる。
一方、事件を捜査していたニュージーランド警察当局は殺人の線も捨てきれないとして、マークスの死亡時、基地に滞在していた職員49人に聞き取り調査の協力を求める。が、これに応じたのは13人のみ。事件解決に結びつく証言は得られなかった。
事件はその後…
警察は2006年、マークスの人間性を考えると、自殺は考えられず、間違えてメタノールを摂取した可能性が高いと発表。
さらに、遺体の検視官が2008年、マークスの死因は自殺か毒殺かどちらとも言えないという報告書を提出したことにより捜査は打ち切られ、そのまま真相は闇に葬られた。
