登録者数の多いYouTuber、何人知っている?
アルゴリズムは、同じ「界隈」であると判断したユーザーに、同じ情報を差し出す。クリックやインプレッションなどの数値を計測する。そして「界隈」でクリックされやすい、閲覧されやすいコンテンツが、私たちの目の前に表示されるようになる。
一人ひとりのアイデンティティに近い「界隈」が、フラットに広がっている。「界隈」にヒエラルキーはない。ただ数の大小が存在するだけだ。
私たちがアルゴリズムのなかで「界隈」を超えて冒険することは、とても難しい。私自身、チャンネル登録者数100万人を超えるYouTuberの多くを知らない。びっくりするので、ぜひあなたも「登録者数の多いYouTuberトップ10」を検索してみてほしい。本当に知らないのだ。「界隈」が異なると、ここまで知らないんだ、と驚く。
「界隈」を超えておすすめされる人気者なんていない
テレビや新聞、雑誌などのマスメディアで、人気者をつくりあげていた時代は、私たち皆が知るスターが生まれていた。しかしYouTubeというプラットフォームが全盛期になったいま、「界隈」ごとのスターは生まれるが、皆が知るスターは生まれづらい。
なぜならそれはプラットフォームがそれぞれの「界隈」ごとにおすすめしているだけだからだ。「界隈」を超えておすすめされる人気者なんて、プラットフォームにはいないのだ。最適化されるとは、そういうことなのである。
マスメディアは一人ひとりに最適化されていない。みんなが同じCMを見て、同じ誌面を読む。だからこそ、皆にとっての人気者が生まれていた。
プラットフォーム時代においては、界隈に最適化するあまり、皆の知るものは生まれづらくなっている。
そのなかで、「界隈」を超えて冒険することは――エンターテインメントになりうる。
