どれだけ売れても「俳優に向いてない」と発言

 映像界では名バイプレイヤーの一人として知られ、ドラマ『民王』(テレビ朝日系)、『中学聖日記』(TBS系)、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)、映画『ソロモンの偽証』、『モリのいる場所』、『浅田家!』など枚挙にいとまがないほどの代表作を持つ池谷。名前は知らなくても、誰しもが一度は顔を見たことがあるはずだ。

 声にも特徴があり、『HUGっと!プリキュア』や『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』などでアニメ声優も務めている。

 一方で、現在でも活動の中心は舞台。2020年のコロナ禍には、演劇ユニット『ねずみの三銃士』の第4回企画公演『獣道一直線!!!』(演出:河原雅彦)で“平成の毒婦”こと木嶋佳苗をモデルにした魔性の女役で観客を魅了し、第28回読売演劇大賞・優秀女優賞を受賞している。

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朝ドラ『ばけばけ』公式Instagramより

 2023年にも『我ら宇宙の塵』『無駄な抵抗』での演技が高く評価され、第31回読売演劇大賞・最優秀女優賞を受賞。授賞式でのスピーチで、演劇チケットの価格高騰について触れたことが話題に。下積み時代、お金がなく演劇が見たくても見られなかった経験があるからこその言葉だった。

 また、その活躍ぶりとは裏腹に、池谷は自身のことを「俳優に向いてない」と語る。どこまでも謙虚。そして、俳優として揺るぎない地位を確立した今でも、生活者としての視点を失わずに持ち続けている。だからこそ、池谷が演じる役にはいつもリアリティがあるのだろう。

 NHK連続テレビ小説『半分、青い。』にヒロインの幼なじみ・菜生(奈緒)の母親役で出演した際も、どこにでもいるうわさ話が好きなおばちゃんといった雰囲気で、どこか懐かしく、見るだけでホッとしたのを覚えている。