19歳で逮捕され、少女殺害事件の犯人として裁かれたフアン・リベラ。物的証拠がないまま有罪判決が下され、彼は約20年を刑務所で過ごすことになる。裁判は3度にわたり繰り返され、そのたびに「自白の信憑性」と「DNA鑑定」をめぐる攻防が続いた。
やがて科学技術の進歩が、判決を覆す決定的な事実を突きつける。なぜ無実の青年は長年自由を奪われたのか? 新刊『世界で起きた恐怖の冤罪ミステリー35』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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無実の罪で20年も服役
リベラの裁判は、司法史上稀に見る長期戦となった。初回裁判は1993年11月にレイク郡裁判所で始まり、検察は自白の信憑性を強調。弁護側は精神疾患と警察の自白強要を訴えたが、陪審員は有罪を宣告し終身刑が下される。
しかし、1996年の控訴審は裁判所のミス(伝聞証拠の許可や弁護側の陳述制限)を認め一審判決を破棄。1998年、2回目の裁判が開かれ、検察は新証人として、当時8歳のテイラーを証言台に立たせる。彼女は「フアンがホリーを襲った」と証言した。が、事件当時は2歳で、記憶の信憑性が疑問視され、陪審員は第1級殺人では無罪としたが、他の殺人罪で有罪を評決。2001年の控訴審もこれを維持した。
3回目の裁判は2009年4月。DNA技術の進歩で、リベラのDNAがホリーの体内の精液と一致しないことが明らかになった。
しかし検察は「DNAが汚染されている可能性あり」と主張。陪審員は再び有罪を評決し、改めて終身刑が下される。結局、リベラは都合20年近く刑務所に服役。この間、彼の精神はさらに悪化し、獄中で何度も自殺を図った。
