償いに罰の軽重は関係ない
VTRが終わり、スタジオで久米氏は僕が台本に書いたコメントを読み上げた。
「今回の放送にあたり、殺された女子高生のお父様と電話で話をお伺いすることができました。その際、被害者の父親は『今さら事件を掘り返してほしくない。できれば放送も止めていただきたい』とのお話でした。しかし、ご遺族に特集の趣旨をご説明し、ご覧の通り放送することにしました。ご了解いただきたいと思います」
たとえ批判されようとも父親の意思を伝えるのがフェアな放送だと思っていた。
一拍置いて久米氏とコメンテーターのフリートークに入る。
「まあ……人間とはなんて愚かで悲しいことをするんだろうというのが、まず……。罪を法律でその罰を重くしようとそれとは関係なくて、なんでこんなことをやってしまうんだろうなっていうのがね」(久米氏)
「この事件は私が警視庁キャップになってすぐ起きた事件なんですよね。おそらくこんな酷い事件はその後起きないだろうなと思って、起きていないと思いますね。今のビデオを観て、少年犯罪被害当事者の会の武るり子さんがここでおっしゃったことを思い出すんですが、被害者は心から罪を反省して、詫びてくれることを望んでるんだと。どうしたらそれができるのかっていうと、こうすればできますという手引書はないですし。何年かかければそれができますというものでもないし。やっぱり今の彼が言ってたように、一生その答えの出ない難しい問題を背負っていくしかないんでしょうね」(コメンテーター・清水建宇(たてお)朝日新聞編集委員)
「だから罰が重い軽いに関係なく、自分も含めて、家族ももう取り返しのつかないことになってしまうんですよね。それをぜひ若い方にはご理解いただきたいと思います」(久米氏)
久米氏のコメントをスタジオで聞いていて同感だった。償いに罰の軽重は関係ない。罰が軽いからといって反省しなくていいというものではない。罰が重いからといって刑務所に送って解決ではない。
番組は冒頭からCMをはさみ26分間も少年法と特集を報じた。
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