テレビや新聞、SNSなどを見ていると、残酷な殺人事件や性犯罪のニュースを毎日のように目にする。凶悪犯罪者たちは、なぜ信じられないような罪を犯してしまうのか。
ここでは、韓国初のプロファイラーが、過去の凶悪犯罪を振り返りながら、犯人たちの心理を分析した書籍『死体でもいいから、そばにいてほしい 悪と寂しさの心理学』(大和書房、著=クォン・イルヨン、訳=中川里沙)より一部を抜粋して、韓国で実際に起きた事件を紹介。
AとBという幼なじみの女性2人が、教育実習先で、ある男子生徒に出会う。しかし彼は、Bによって、虐待された末に殺されてしまう。捜査が進むと、驚愕の真実が明らかになる——。(全2回の2回目/1回目から続く)
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「男子生徒が自分を強姦しようとした」と主張したが…
現場に救急車が到着したとき、男子生徒はすでに亡くなった後だった。一生懸命勉強して大学に行くと言っていた息子がいきなり死ぬなんて、両親にとってとても信じられない状況だった。
Bは、男子生徒が自分を強姦しようとし、それから逃れるために熱湯をかけたところ、相手が倒れたと主張した。
だが警察が捜査を始めると、Bは証言を覆した。じつは強姦ではなく、暴力を振るわれそうになって抵抗し、そのせいで男子生徒が転んで死んだと話したのだ。その後もBは何度も証言を変え、矛盾のある話ばかりをくり返した。
そして捜査が進んでいくと、次々に驚くべき事実が明らかになった。Bが男子生徒を虐待するように仕向けたのは、なんとBの彼氏だったのである。
Bの彼氏は、男子生徒を大学に合格させるためには、勉強ではなく暴力を振るえ、というメッセージを送りつづけていた。彼氏はアメリカに留学中で、二人はAの紹介で交際をスタートしたという。
ところがなんと、二人が実際に会った事実はなかった。
