テレビや新聞、SNSなどを見ていると、残酷な殺人事件や性犯罪のニュースを毎日のように目にする。凶悪犯罪者たちは、なぜ信じられないような罪を犯してしまうのか。

 ここでは、韓国初のプロファイラーが、過去の凶悪犯罪を振り返りながら、犯人たちの心理を分析した書籍『死体でもいいから、そばにいてほしい 悪と寂しさの心理学』(大和書房、著=クォン・イルヨン、訳=中川里沙)より一部を抜粋。

 韓国で実際に起きた、ガスライティング(誤った情報や嫌がらせによって相手を支配しようとすること)による凶悪犯罪について紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く

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写真はイメージ ©アフロ

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共感能力が高い人が狙われるガスライティング

 ガスライティングの被害に遭う人々は、共感能力が高い傾向にある。不健康な人間関係はすばやく断ち切らなければならないと頭ではわかっていても、それをなかなか行動に移すことができない。

 それは加害者の巧妙で狡猾な手口のせいで、決して被害者のせいではない。そのためガスライティングはどんな事件より周囲の人々の協力が欠かせないのだ。

 たとえば、親しくしていた友人からの連絡が突然減ったり、途絶えたりしたとする。このように、予告もなく周囲の人々との関わりを断つ友人がいたら、注意を傾けたほうがいいだろう。

 なぜなら、ガスライティングの加害者たちの最も大きな目的は、情報を遮断することだからだ。被害者が誰と接触しているのかなどの情報が漏れないことに集中するのである。

 加害者は、ターゲットが周囲の人々からアドバイスをもらったり、協力を仰いだりする機会を徹底的に断絶する。そうして、被害者の人間関係をじわじわと蝕んでいくのだ。加害者によって心理的に操作されている場合、被害者は状況を客観的に判断する能力を失っているケースが多い。