2018年上半期、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。スポーツ部門の第3位は、こちら!(初公開日:2018年6月30日)。
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W杯では試合前日と試合後にFIFAが設定した公式会見がスタジアムで行われる。出席するのは監督と、選手が1名だったり複数名だったりする。対戦国やそれ以外の国の報道陣も集まり、少々お堅い雰囲気になるものだが西野朗監督の会見は違う。
誤解をおそれずに表現すれば、おもしろくて仕方がない。
つまずく、まちがえる、つけられない
ポーランド戦前日は登壇の際、段差に蹴つまずいた。転んで空を舞いかけた。話を始めても何かが起きるから、こちらは集中していなくてはならない。この日はエカテリンブルクをきちんということが出来ず、エカテリ……後半はよく聞き取れなかった。
「あれ、言えてなかったよね」と取材者同士でざわっとする。何度やっても自分でつけられなかった同時通訳機のイヤフォンは、今回はつけることができた。しかし装着まで皆が笑顔で見守った。
といった塩梅で始まった会見。話す内容は独特の言葉遣いで難解ではあるのだが、嘘をつくタイプではないから、発言にはしっかりと耳を傾けておく必要がある。天然で強気だけど、裏表はないのが西野監督だと思う。
ポーランド戦前日の時点ではこんな話をしていた。