「保守」と「女性」の相性
こういった不満や不安の結果が、久江さんもおっしゃる通り、昨年の参議院選挙での参政党現象でしょう。参政党は一般の人たちが抱えている潜在的な不安や不満を背景に躍進したわけです。その状況下で、自民党内で押し出されたのが、高市さんだった。ライバルの小泉進次郎さんに比べて、高市さんが党内で傍流であるのは明らかですが、その傍流が勝ったという事実は、トランプ現象と同じで、時代の潮目が完全に変わったことを意味しています。
鈴木 私は高市さんを支持する人に直接会ったことがありませんが、ネット上では毎日大量に見かけます。確かに、参政党と高市さんの支持層が近いというのは頷けます。SNSには、「参政党とさなぴーが好き」みたいな書き込みが、結構ありますよね。参院選で参政党のさや(塩入清香)さんが、かなりの票を取って当選するなど、保守派の男性たちが女性を旗印にして集まる現象がありますが、それによって批判がおかしな論点ずらしをされることがあります。「女なのに女性リーダーである高市首相を批判するの? やっぱり女の敵は女だ」みたいな空気を作られるのは非常に不快です。
マライ 涼美さんが言ったことは当たっている。ヨーロッパの極右政党には女性リーダーが多いんですね。たとえばドイツ国内で政党支持率がトップであるAfD(ドイツのための選択肢)の共同党首であるアリス・ワイデル。
党としては極右で、反グローバリズムを掲げているけど、彼女自身は同性愛者で、スリランカ人がパートナーで、しかもドイツではなくスイス在住だったりする。本人のプライベートはめちゃくちゃグローバルでダイバーシティなんです(笑)。そんな党首の人柄をアピールして、支持者たちは「極右だけど、そんなに狭量じゃない。悪い政党じゃないでしょう?」という言い訳に使っているんですよ。反グローバリズムは男性より女性が主張するほうが政治的に有利になるのが、世界の潮流かもしれません。
※本記事の全文(約11000字)は、「文藝春秋」2月号と、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(浜崎洋介×鈴木涼美×マライ・メントライン×久江雅彦「新春座談会 高市早苗首相の通信簿」)。全文では、以下の内容をお読みいただけます。
・高市内閣のキーパーソン
・トランプ対応は成功?

