ただ、この給付金には、さまざまな条件をつけて給付額が減額されてしまうという問題があります。例えば、親子や夫婦など親族間の殺人では減額されてしまったり、被害者が専業主婦であるという理由で減額されてしまったり、職場の上司と部下のトラブルなどでは被害者も犯罪を誘引したということで減額されてしまったり、と満額で支払われることがなかなかありません。

代理人がいるかどうかで結論が変わることも

 もともとは被害者の生活支援的な意味合いが濃い制度であるため仕方ない面はありますが、「1円でも多く」取ることを公言している代理人として、窓口となっている警察の担当者との交渉では、少しでも被害者に有利になるように、さまざまな事情を伝え、被害者の気持ちを汲んでもらえるような配慮をお願いしています。

 公的な制度がそんなことに左右されるなんておかしいと思われる方もいるかもしれませんが、どちらに転んでもおかしくない場合には、代理人がいるかどうかで結論が変わることがあります。被害者は、警察も検事も裁判官も選べませんが、代理人である弁護士は自由に選べます。権利であるとも言えます。ですから、ご自身のためにぜひとも代理人を活用してほしいと思います。

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 話は脱線しますが、相談に来られる被害者の方から、検察や警察に相談したら「事件にはできないけど、弁護士さんを探して民事の損害賠償で頑張ってと言われた」ということをよく耳にします。多くは証拠がなかったりして立件が困難なケースではあるのですが、国家権力と多額の税金を使って捜査しても立件できないものを、どうやって弁護士が立証して損害賠償を請求すればいいのでしょうか。テレビドラマに出てくるような「奇跡を起こすスーパー弁護士」はいませんので、被害者にあまり期待を持たせないでほしいと思うこともあります。

 他にも、被害者に向かって「いい人生経験だと思って頑張って」「若いのだからもう忘れなさい」といったデリカシーのない言葉を吐く捜査関係者もいて、こういう話を聞くと、代理人としてはそちらにも慰謝料を請求したいくらいです。近年は、犯罪被害者の心理について学ぶ機会も増え、二次被害は減りつつありますが、アップデートされていない人もいますので、もっと被害者に寄り添ってほしいと切に願っています。

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