「相手の女性が嫌なことがあれば…」俳優が見せた“男女のシーン”での気遣い

――俳優が「NG」を出せる環境が作られつつあるのですね。

多賀 ハラスメントを完全になくすのは難しいかもしれませんが、少しずつ業界も変わりつつあると思います。ICが起用されるのはプロデューサー側の決定によることが多いのですが、俳優部から、共演者を気遣って「入ってほしい」と言われることもあります。

――俳優自身も、インティマシーシーンでは色々と苦労や配慮をしているという実感がありますか。

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多賀 特に男女のシーンにおいて、男性俳優が女性俳優に対して気を遣われていることが多いですね。

 面談の時に「僕は大丈夫なんですけど、相手の女性が嫌なことがあれば絶対にしたくないので、事前に教えてください」と言っていただくこともあります。もちろん女性側から男性側に対しても同じです。

――お互いにかなり気を遣われているのですね。

多賀 そうですね。僕たちICとしては撮影をスムーズに進行する手助けをさせてもらっているので、できるだけ少ないテイクで成功するように準備を進めます。

 何回もテイクをやると疲れてしまいますし、キスも何回もしたくはないと思うので。暑そうだったら扇風機を当てたりとか、必要であれば役職の垣根を超えてお手伝いすることもあります。

写真はイメージ ©AFLO

「濡れ場」「女優」という言葉を使わない理由

――他に、俳優との面談で気をつけていることはありますか。

多賀 女性の俳優との面談の場合、僕が男性なので「僕に言いづらいことがあったら、この面談ではお話ししなくて大丈夫なので女性スタッフに言ってください」といった声かけは必ずするようにしています。

 あとは撮影当日に現場で女性に前貼りをしたり、胸を隠すガードが必要になった場合は僕ではなく、事前に衣裳部やメイク部と連携をとり、女性のスタッフの方にケアしていただくようにはしています。

――多賀さんが普段、心がけていることがあれば教えてください。

多賀 言葉遣いといいますか、言葉選びには気を付けるようにしています。例えば、業界用語として使われている「濡れ場」はみんながわかる言葉なのですが、同時に偏ったイメージを持たれやすい言葉だと思うので、僕は「擬似性行為」に置き換えたりします。

 同じようなものだと「脱ぎがあります」とか、やっぱり業界用語で早く、短く、わかりやすくというのがメインに使われている言葉であっても、そこをもう少し丁寧に言い換えたりしますね。

――とても大事な試みだと思います。

多賀 あとは女性の俳優を「女優」と呼ばないとか、なるべくそういう言葉はアップデートして、ニュートラルな響きの言葉にしていこうと心がけています。

撮影=志水隆/文藝春秋

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