ストーンズ、ビートルズ、ジミヘンも登場する豪華な構成

 1950年代後半、ロック黎明期を彩ったチャック・ベリーの数々のヒット曲はイギリスの若いバンドにカバーされ、魅力がさらに広がっていく。その代表格がローリング・ストーンズだ。映画ではチャックの『アラウンド・アンド・アラウンド』を演奏する姿が紹介される。この曲、ストーンズの60年代のアルバムに続き、70年代のライブ盤「ラヴ・ユー・ライヴ」にも収録されたお気に入りのナンバーだ。ボーカルのミック・ジャガーがステージで見せる、マイケル・ジャクソンのムーンウォークをちょっと思わせるようなステップが何とも可愛らしい。

チャック・ベリー(左)とミック・ジャガー

 続いてはビートルズ。曲はやはりチャックの『ロール・オーバー・ベートーヴェン』。ジョージ・ハリスンが歌っている。歌い始めのマイクの調子が悪かったようで、隣のスタンドのマイクに変えたとたん声がはっきり聞こえるようになる。

「ベートーヴェンをぶっ飛ばせ。それよりリズム&ブルースさ。チャイコフスキーにもよろしくな」

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右からジョン・レノン、オノ・ヨーコ、チャック・ベリー

 ビートルズといいストーンズといい、60年代の人気ぶりが少女たちの凄まじい歓声に表れている。なのに観客が立ち上がったりせず、みんなお行儀よく座っているのが時代を表し、いかにも微笑ましい。

 ここで、クラプトンと並ぶ“ギターの神様”ジミ・ヘンドリックスが登場。曲は名曲中の名曲『ジョニー・B・グッド』。ロックンロールを代表する超有名なイントロのギターリフに続き、ギター小僧の歌を歌う。

ジミ・ヘンドリックス

「田舎少年のジョニー・B・グッド。読み書きは苦手だが、鐘を鳴らすようにギターを弾く。ゴーゴー、ゴージョニーゴー、ゴー」

 ジミヘンと言えば歯でのギター演奏。この曲でも披露している。ここまで、ビッグスターの演奏をフルコーラスで3曲丸々聴かせてくれるとは贅沢な話だ。チャック・ベリーの映画なんだから普通なら彼の演奏場面が中心になるようにも思うが、実はこれ、チャックが亡くなって3年後に制作されたトリビュート映画なのだ。だから様々なロックスターが登場し、かつてチャックと共演した映像や、カバー曲を披露する豪華な構成になっている。

 ポール・マッカートニーは、ビートルズゆかりのリヴァプール、キャヴァーン・クラブで、映画のタイトルにもなった『ブラウン・アイド・ハンサム・マン』を披露。

ポール・マッカートニー

 ロックとオーケストラ・サウンドを融合させたエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)は、ベートーヴェンの交響曲第五番『運命』から『ロール・オーバー・ベートーヴェン』へと流れ込むELOならではのアレンジを見せる。