少女の妊娠と出産をきっかけに、事態は一気に動き出した。平成29年に東京都で起きたわいせつ事件。37歳の男は逮捕され、「恋愛だった」と主張するが、事件は法廷で裁かれることになる。いびつな関係は、どのような結末を迎えたのか? なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)
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「娘さんのお腹の中には赤ちゃんがいます」
翌春、マユミは高校に入学した。お腹の周りは明らかに膨らんでいた。それをマユミは「新しい環境で慣れないだけ。不登校のリバウンドでストレスがたまっている」などと言ってごまかしていた。
出産前日、さすがにマユミが体調不良を訴え、母親が心配して病院に連れて行ったところ、エコー検査をした医師は重い口を開いた。
「お母さん、言いにくいんですが、娘さんのお腹の中には赤ちゃんがいます」
母親は仰天。マユミはそのまま緊急入院して、翌日に女の子を出産した。父親は誰なのかと問い詰められ、「竹中さん」と白状。だが、本当のことは打ち明けられず、「援助交際の約束で1回会っただけ」と言ってごまかした。
マユミの両親は直ちに竹中に連絡した。竹中は出産費用として12万円を送金してきた。両親としては孫の養育費ももらいたいところだったが、そうするとこのまま竹中と付き合っていくことになりかねず、弁護士に相談して精神的苦痛に基づく慰謝料を請求することにした。
だが、竹中はその文面を見た途端、「あまりにも話が違う。暴力を振るった事実はない。恋愛感情があり、何度も会っていた」として、その返答自体を拒絶した。
