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「柿を食べた成功体験」が大胆さを育てる
警戒心が低下したクマにとって、森にどんぐりがない状況は「集落の柿や栗」へ目を向ける契機となる。小池教授は、クマの行動変容のプロセスをこう説明する。
「警戒心が下がったクマは、森の外を見て『たわわに実った柿』を見つける。夜中に出てみたら簡単に食べられた。人は何もしてこない。次は昼間に出てみよう。今度は集落の中まで行ってみよう——こうして成功体験が重なり、大胆さがエスカレートしていくのです」
「駆除だけでは次のクマが出てくるだけ」
誘引物の存在は、クマを森から引き出す「もう一つのきっかけ」だ。かつては自家消費や出荷されていた柿や栗も、高齢化した集落では放置されることが多い。それがクマにとっての「餌場」と化している。
小池教授は「駆除だけでは次のクマが出てくるだけ」と強調し、誘引物の除去と移動経路の遮断が不可欠だと訴える。2023年の大量出没を契機に対策は進んでいるものの、「追いつかなかった」ことが今年の被害拡大の一因だという。
