はじめてインターネットに触れたのが1993年、自宅でインターネットに繋いだのが1994年だった。
当時はただインターネットにつながっていることが面白かった。この自宅の電話線がアメリカのコンピュータにつながっている! と思うだけで興奮した。興奮のあまり家から出る電話線を眺めたこともあった。ただの黒いケーブルだった。
3行レシピの「3.お米にのせて食べる。」の雑さ
画像が入るウェブサイトの前に、Gopherという文字だけの情報サービスがあった。Gopherは大学図書館の蔵書情報などが多かったが、たまに料理のレシピなどの情報を載せているところもあった。
日本料理のレシピを載せている英語のサーバがあったので見ていたら、どの料理も3行で説明してあった。
1.鶏肉を煮る 2.卵を入れる 3.お米にのせて食べる。
1.牛肉とじゃがいもを煮る 2.醤油をいれる 3.お米にのせて食べる。
雑な上に最後の1行が全部「お米にのせて食べる」なのだ(2つ目はたぶん肉じゃが)。どこから突っ込んでいいのかわからないポンコツ情報に興奮した。
かと思えば僕しか知らないと思っていたマイナーなバンドの詳細なディスコグラフィ(海賊版まで載ってる)を発見して、世界には仲間がいることに感激したこともあった。
Gopherなど海外のサーバにつなぐにはtelnetという文字だけのパソコン通信のような画面で、サーバのアドレスを指定する。そこでアカウントを入力するのだが、外部に開放しているサーバではそこでguestと入力すると入れることがあった。
それが面白くて、NASAやホワイトハウスにつないでは guestで入れるか試していた。ホワイトハウスのサーバがゲストで入れるわけないのだが、入口まで行けたことがおもしろかった。太平洋をまたいだピンポンダッシュである。