推すとGiveの好循環が生まれる
2つ目は、同じく僕が長年通う、広尾の「INSOLITE」(アンソリット)という美容院です。
実は、美容院の数はコンビニエンスストアよりも多く、厚生労働省のデータによると、全国で25万軒以上あり、コンビニの約4.5倍に相当するといいます。となると、それだけ顧客の選択肢が多くあり、どこへ行けばいいのか迷ったときに、僕が美容院の話をすることで、少しはインパクトを与えることができます。
このとき単に、「この美容院いいよ」という一般的な言い方はしないようにしています。
なんといっても「推し」ですから、「いまの僕をつくってくれたお店です」と紹介するのです。僕はもともと天然パーマですが、かつてスキーシーズンに伸びてしまった髪を、清潔感がありかつトレードマークになるようにプロデュースしてくれたのが、ボスの尾﨑隆司さんです。
彼が、僕の無意識の願望を形にしてGiveしてくれたことで、僕の人生は本当に変わりました。以来、情報発信をして店を「推し」ているのですが、「澤から聞いた」といって常連のお客さんになった人が何十人もいるそうです。
自分がハッピーになった経験をお裾分けするという行動が、他の人の行動を促し、多くの人にハッピーが巡っていく結果になっているのです。
いまの時代は、「お仕事は、推しごと」といわれるほど、ビジネスや消費行動における重要な要素として、「推し活」が注目されています。
不思議なことに、誰かのことを熱心に「推し」ていると、しばしば自分もまた誰かに熱心に「推される」ようになります。「推される」にふさわしい能力と振る舞いをコツコツと磨いていると、いつの間にか仕事に結びついたり、自分も大きなハッピーをもらったりするのです。
Giveの好循環ととてもよく似ていると思いませんか? これからのビジネスは、「壮大な推し活」をやるマインドで臨むと大きな可能性が開かれます。
「シャドウ・ワーク」に光をあてよ
では、実際のビジネスの現場で、僕がどのようにビジネスパートナーに対して、「推し活」をしているのか具体例を紹介しましょう。
僕は、かつてITコンサルタントとして、多くの企業のIT部門の顧客と仕事をした経験から、IT部門は、実は「ありがとう」と言ってもらえない業種の典型だと感じていました。というのも、メールやチャットなどのシステムがスムーズに動作したからといって、「ありがとう、今日も快適だったよ」と、社内でお礼なんて言われません。動いて当たり前と思われているから。
逆に、システムにトラブルが起きると、すぐに「なにやっているんだ!」「早く直してくれ!」と一方的に怒られる立場です。
