「円滑に回って当然」と職場で軽視されがちなIT部門や事務仕事。そんな現場に目を向ける重要性を説くのは新著『The Giver 人を動かす方程式』が話題を呼ぶ、元マイクロソフトの澤円氏だ。組織のなかの目立たない貢献を可視化するとき、私たちの働き方はどう変わるのか?
(本稿は、前掲書から一部抜粋したものです)
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これからはビジネスでも「推し活」のマインドが必要
相手がハッピーになるものを提示するアプローチは、「本当に人にGiveしたいと思うこと」にフォーカスする働き方とそのままつながります。
わかりやすくいうと、これは「推し活」のようなものです。
ご存知のように、推し活は、自分の「推し」(人やキャラクター、コンテンツなど)を応援する活動で、自分が選んだ「推し」をいかにハッピーにするか、世に広めるかに心をくだきます(時間とお金を使って!)。
ここで面白いのは、「推す」理由は、千差万別だということ。
「100年に一度の美少女」「女子高生のカリスマ」「日本を代表する三大イケメン」といった、どこかの誰かが決めた判断基準ではなく、あくまで個人が、自らの感情や価値観に従って心から推すわけです。
もちろん、「推し」には、それなりに際立った特徴や才能があるものですが、好きな部分が必ずしも一般的な評価基準に沿っている必要はありません。それよりも、特定の誰かのニッチなツボにはまったことで熱烈に推され、そこから評判が大きく広がることもままあります。
僕は、自分のSNSやVoicyチャンネルで、この「推し活」を結構やっています。小さな例を2つ紹介しましょう。
ひとつ目は、千葉県の東金市にある「イージーダイナー」という行きつけのハンバーガー屋さん。僕はその店を、「世界一のハンバーガー屋」だと言い続けているのですが、もちろん僕にとっての「世界一」です。
なにが素敵かというと、店内になんとスケートパークが併設されているのです。オーナーは、かつてアメリカを旅して本場のダイナーに感銘を受け、「こんなお店をつくりたい!」と、外観内観ともに本場そっくりの店をつくったそうです。店内に一歩入ると、まさにそこはアメリカのダイナーそのものの雰囲気で、料理の味も本格的です。
車でなければ行けないローカルな場所ながら、これまで僕に聞いたといって訪れた知人が何十人もいます。そうなると、お店の人は嬉しいし、僕も知人から「行ってきたよ!」と言われると、「行ってくれたの? ありがとう!」となって、お互いにハッピーを与え合うことができます。

