ジョナサンから送られてきた写真には…
ジョナサンが送信した写真を見て、ナタリーは一気に舞い上がった。ジョナサンのゆるくカールした長いブロンドヘアに夢中になったのだ。白い歯が輝く、人懐っこい笑顔も魅力だった。
ジョナサンのブロンドに魅せられた女性は多かった。ジョナサンの無制限の精子拡散を許せないとして追跡し、法廷に持ち込んだ後であるにもかかわらず、カメラの前でジョナサンの髪について語る女性たちは誰もが微笑んでしまうのだ。
女性だけではなかった。ジョイスとジョンは異性婚カップルだが、ジョンが精子を作れず、ジョイスの妊娠には精子ドナーが必要だった。そのジョンも「私たちの子供には彼の髪を受け継いでもらいたい」と語っている。ジョンの髪は濃い茶色だがジョイスは金髪。ジョナサンの精子を使えば生まれてくる子供は間違いなくブロンドになるだろうと期待したのだ。
「子供の数が世界で3000人を超える」可能性も
ジョナサンはプライベートな精子提供と同時に、IVF(体外受精)クリニックへの提供も行っていた。法では提供は1クリニック限定と定められていたが、ジョナサンは11のクリニックへの寄付を長年にわたって続けていた。
ジョナサンの本業は、世界を駆け巡るYouTuberだ。ビットコイン投資、自然界でのライフスタイル、自身の人生哲学などをヨーロッパ各国、北米、エジプト、香港、オーストラリアなど様々な国から発信している。ジョナサンを追跡した女性たちは、ジョナサンが行く先々で精子提供を繰り返していたのではないかと推測している。
裁判ではジョナサンの精子によって生まれた子供の数は550~600人程度と想定されたが、実際には1000人を超えるだろうとする意見がある。さらにジョナサンが寄付した精子が、「もしもすべて妊娠出産を導いていれば、ジョナサンの子供は世界中で3000人を超えるだろう」とする試算もある。
ちなみに、『1000人の子供を持つ男』には、「不妊治療詐欺」の撲滅を目指して活動するイヴ・ワイリーという女性が登場する。
イヴ自身、不妊治療詐欺によって生まれている。イヴの母親のケースはジョナサンのような精子の大量提供によるものではなく、不妊治療医が自らの精子を患者である女性に無断で注入して妊娠させる、言語道断かつ病的な手法によるものであった。
