3度目のデビューでリーダーに「自分だけ目立っても意味がない」

 SAY MY NAMEにおいてヒトミの役割は、単なる「日本進出のキーマン」に留まらず、グループそのものの精神的な支柱、アイコンになっている。その上で特筆すべきは、彼女のスタンスと立ち振る舞いである。AKB48とIZ*ONEで活躍、という華麗なキャリアがあれば、「ヒトミと仲間たち」という見せ方でスタートを切ることも可能だった。しかし、決して彼女はそれを良しとはしなかった。

8人組ガールズグループのSAY MY NAME(オフィシャルサイトより)

「グループとして成功してこそ」。必死に注目を集めようと躍起になっていた年少メンバーに対して「自分一人だけが目立っても意味がない。みんなで光らないと。グループとして人気が出れば、そのうち個々にも光が当たる」という趣旨のアドバイスをしたことがあるという。24歳の若さで、すでに2つの人気グループで結果を出してきた彼女だから言える金言だ。

 ラジオの中でのトークを通じても、いち早く他のメンバーを自分と同じステージまで引き上げようとしているのが真摯に伝わってくる。同時に自らの魅力や持ち味も惜しみなく出し、強みをグループのためにきちんと使うところもプロフェッショナル。一般社会のビジネスシーンにおいても、これを実行できるリーダー・管理職がどれだけいるだろうか。筆者も1人の社会人として頭が上がらないと感じたエピソードだ。

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深夜ラジオから伝わるヒトミとメイの“リスペクト”と“絆”

 実は、本稿で紹介しているエピソードの一部は、日本のラジオ番組でのトーク内容から抜粋している。毎週水曜深夜にTOKYO FMで放送されている『SAY MY NAMEのSAY YOUR NAME♡!!』は、ヒトミともう1人の日本人メンバー・メイがパーソナリティを務めるレギュラー番組だ。ファンの間では“ヒメズ”の愛称で親しまれている2人だが、かけあいが絶妙でステージ上とはまた違う、率直な本音や価値観も垣間見える。

日本人メンバーのメイ(左)とヒトミ。2人でラジオのレギュラー番組も(SAY MY NAME公式Xより)

 特筆すべきは、年齢もキャリアも後輩であるメイが、ヒトミに対して一切臆することなく切り込んでいく点だ。そんなメイの率直な言葉を、ヒトミは決して先輩風を吹かせることなく、一人の仲間として面白がり、受け止めて、真摯に応えていく。この関係が成立するのは、メイの根底にヒトミへの深い尊敬があり、同時にヒトミがメイの感性を心からリスペクトしているという、双方向の信頼があるからだろう。