彼は自分でもセカンドストリートでモノを買う。柴田が買う時は従業員のルールに従っている。従業員割引はあるが、すべてお客さま優先だ。ただし、洋服だけは新品で買うことにしていると言った。それは、洋服が古くなって味が出てくるのを楽しみたいからだという。特にレザー製品にしわが寄り、デニムのパンツの色が落ち、シルバー製品の色がくすんでくるのが好きだと言っている。この辺はロックギタリストらしいモノの考え方だ。オールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマンの服装はそんな感じである。

「新品の値段」を知っているだけでは通用しない

さて、店長として、彼がもっとも気を配っていることは「買い取り」である。リユース業では買い取りをしないと売るものがない。いかに商品を集めるかが大切なのだ。

柴田の説明はこうだ。

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「私の仕事は店をオープンしてから運営していくなかで、いかに在庫を集められるか。オープンした日がピークにならないようにしないといけない。買う人も売る人も最初は多いです。人数では売りに来るお客さまよりも、買いに来る人の方が多いです」

わたしが聞いたのはこんなことだ。小売店のプロは客に売ることには長けている。ノウハウはある。一方、客から買っているのはリユース業界の人だけだ。そして、斯界のトップ企業にいて、それもナンバーワンの買い取りをしている店の店長、柴田は買い取りのプロと言えるのではないか。そこで、わたしは買い取りテクニックを彼に聞いた。

「そうですね。たとえばセレクトショップとかで働いていた方は、新品の定価はわかるんですよ。似たようなものを扱っていたから、だいたいわかるのでしょうけれど、それはセカストでは通用しないんです。まず、その品物を『買い取って、そしてリユース品として売る時に、いくら販売金額をつけるのか』。それをまず想定することです。しかるのちにお客さまに対して買い取り金額を提示する。ここがわからないとダメ。いくら新品の定価がわかっても通用しないんです。