柴田は言う。
「いやいや、プレーするのと商売するのは、感覚が違います。生意気なんですけれど僕はいいギターしか持ってないんです。ですが、うちで売れるギターって初心者用の低価格品が多い。だから、買取価格も初心者用はよくわからないです。
それに高級品のギターって買取価格が難しいんです。安く査定されるとプライドが傷つくでしょう。僕だって自分が持っているギターを安く評価されるのはイヤです。ギターもそうですけれど、趣味性、嗜好性が高い品物の場合、お客さまは『わかってる人』に買い取ってもらいたいと思っています。ブランド品でも本人が気に入っていた品物に安いと思われてしまう値段を付けたら、怒られたり、お叱りを受けることがあります」
トラブルは売り場よりも「買い取り」で起きやすい
柴田の話を聞いていると、セカンドストリートでもスーパーセカンドストリートでも、従業員の仕事は買い取りに尽きる。販売しているところを見ていても、「安くしろ」と言う客はいない。誰もが値札を見て、淡々と買っていく。販売について、従業員にストレスはないのだろう。その代わり、買い取りについては時間がかかるし、悪戦苦闘している人もいた。
なお、買い取りできない商品というものがある。
ひとことで言えば、「売ることができないもの」だ。その範囲は広い。破損や汚れ、カビ、不快な臭いがあるもの。使用済みの肌着や水着、衛生用品など。また、偽造品・コピー品、一部の医療機器などは法令で規制されている。製造年が著しく古い家電製品、主要な付属品が欠品しているものなどもダメだ。
だが、どうしても買い取ってほしいという客がいる。また、査定金額に不満を漏らす客がいる。トラブルは買い取り現場で起こる。
柴田の体験である。
「店長、出せー」と怒鳴り散らされて…
「内定をもらってから研修で配属された店で電子レンジを持ち込まれました。新品だけれど使い勝手が悪いから、使わずに持って来たとおっしゃってました。男性の中年の方でした。新品だからと、定価の半分くらいの買い取り金額を期待されていたようなのですけれど、ご提示した金額がご希望の半分にも満たなかった。定価の2割程度でした。ひどく怒られました。怒鳴り散らされて、『店長、出せー』。その後、店長も一緒に3人で話しましたが、結局、商品は持ち帰られました。