でも、その後もまた店には来てくれるようになりました。そういうことはあります。思うのですけれど、金額だけじゃないんです。自信なさそうにお客さまに金額を提示すると、お客さまもすごく不安になってしまう。思えば、お客さまだって、中古の商品の価格をわからないのです。ですから、自信を持って、決めた価格を言わなくてはいけない。

セカストでは販売でお客さまに『いかがですか』とお声掛けすることは正直ないんです。お客さまとお話しするとすればそれは買い取りの金額を提示する時だけなんです。私たちはちゃんと査定しているから自信を持つことができると思っています。そのうえでお客さまに対して真面目に丁寧に接客することが大切だと思っています」

腕時計の置き方ひとつにも気を遣う

「お客さまにはほんとにちょっとしたことでも見られていると思っています。腕時計をお預かりする時、入ったばかりのアルバイトはペタッと、そのまま置くんです。しかし、腕時計を預かる時はできるだけ設置面を少なくして置く。必ず竜頭は上に向けます。そういう教育はきちんとやっています。マニュアルもあります」

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セカンドストリートに勤めている人は柴田のようにモノが好きな人が多い。そうでなければ務まらない。柴田はギターが好きでセカンドストリートに入った。ギターに感じた愛情を時計や家電製品にそのまま移せばいい。モノに愛情を感じる人にとっては理想の職場だ。接客、買い取りについても根本的に必要な資質はモノをバカにしない、人が好きだということだ。モノにも、モノを大切にする人にもリスペクトがなければできない。

柴田は言う。

「僕に査定をさせていただければ、お売りいただける、1パーセントでも売るっていう気持ちがおありなら、そこにアプローチをかけるのは自信があります。モノへの愛情がすべてです」

客の利益のためなら、売るのを止めることも

「『売っちゃうんですか。これ、あと10年したら、もっと価値が上がりますよ』と言ったことは何度もあります。実際、そうなると思います。でも、買い取らせていただきました。『そう言ってくれるあなたに買ってほしい』と言われました。デニムでした。リーバイスの古いデニムです。それでも売ってもらえない場合もありますよ。それは売るつもりがなくて、金額だけ聞きに来る人もいるからです。でも、それでもどんどんお越しいただきたい。いつかは買い取りができるかもしれませんから。