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日本で成功している「移民政策」はラグビー日本代表ではないか

旬選ジャーナル 目利きが選ぶ一押しニュース

2018/08/29

 2015年のラグビーW杯。日本代表は3勝を挙げながらも予選プールで敗退したが、優勝候補の一角・南アフリカ代表を破った試合は「スポーツ史上最大の番狂わせ」と世界中のファンを沸かせた。

©getty

 海外メディアに「最強の敗者」と称えられた代表メンバー31名のうち、外国出身者は10名を数えた。ラグビー日本代表は、日本、ニュージーランド、トンガ、オーストラリアからなる多国籍軍だったのだ。批判はあった。曰く「外国人ばかりで応援する気にならない」「それで日本代表と呼べるのか」……。だが、ラグビーでは国籍を重視しない。各国代表の資格は次の3つ。

●出生地がその国
●両親、祖父母のうち1人がその国出身
●その国に3年以上、継続して居住

 キャプテンだったリーチマイケルは、ニュージーランドとフィジーの代表になる資格も持っていたが、日本を選んだ。

リーチマイケル選手 ©文藝春秋

 はじめて外国出身選手が日本代表のジャージを着たのは1980年代。以来、日本代表は、多様なルーツや文化を持つアスリートが共生する組織であり続けた。純血主義にこだわらず、他者を寛容に受け入れ、尊重する。30年を超える歳月で培われた文化は、来年のW杯日本大会にも引き継がれるだろう。外国出身選手とともに築いた日本代表の歩みが、これからの移民政策を考える1つのヒントになるに違いない。

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