青森県住宅供給公社で14億円超の横領をはたらき、そこから8億円以上をアニータに貢いだ千田郁司氏。彼は1997年から日本とチリを行き来し、アニータとの結婚生活を過ごした。
千田氏はそこでのふとしたアニータの所作から、彼女の本性が垣間見えたと振り返る。朝日新聞の坂本泰紀記者が、千田氏の証言を基にまとめた書籍『アニータの夫』(柏書房)からお届けする。(全5回の4回目/続きを読む)
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アニータとの「結婚生活」の思い出
――アニータ・アルバラードと結婚した千田郁司は、5月の大型連休や夏休みを利用し、チリと日本を往復する「結婚生活」を1997年から4年ほど続けた。ただ、異国での生活は、思い描いていた理想とはかけ離れたものだった。
年に3、4回はチリに行っていました。5月の連休とか9月のチリの独立記念日、12月のアニータの誕生日に合わせてね。
毎回、チリに行くのは苦労した。お土産を頼まれるからスーツケースを2つ3つ持っていかないといけない。青森から東京に行って1泊して、東京では一日中買い物しました。
アニータのお兄さんは時計にしようとか、お姉さんはアクセサリーかなとか。だんだん、下着が欲しいとか、ハイヒールが欲しいとか、アニータから注文を受けるようになった。アニータが欲しがるものは妹たちも欲しがるから、靴だけでスーツケースがいっぱい。
ハイヒール買ってもなんぼも入らないから、東京でスーツケースを2つ買い足すんですよ、一番大きいやつを。
アニータのお母さんに金の十字架を買っていったこともあった。東京の貴金属店で開催されているオークションで、マリー・アントワネットが首から下げたとかなんとか書いてある鑑定がついた十字架が出ていて、「300万」「はい、落札」って。
