〈あらすじ〉
ミシェル(エマ・ストーン)は、製薬会社オークソリスのカリスマCEO。一流経済誌の表紙を飾るほどの著名人であり、モダンな豪邸で完璧な暮らしを送っていた。
ところがある日、覆面姿の男2人に襲われ、誘拐されてしまう。犯人はミシェルの会社の末端作業員として働くテディ(ジェシー・プレモンス)と引きこもりの従弟ドン(エイダン・デルビス)。養蜂家でもあるテディは、蜜蜂の絶滅危機問題や自分たちの身に降りかかったあらゆる不幸は“人類を滅亡させようと企むアンドロメダ星人の仕業だ”と思い込んでいた。そしてミシェルもその仲間だとして“宇宙船との連絡手段”である長い髪を丸刈りにして自宅に監禁。彼らの皇帝に“地球からの撤退”を要求するため、4日後の月食の夜にやってくる船に自分たちも連れていけと迫る。どこまでも話が通じないテディにミシェルは、「私は宇宙人だ」と認め……。
〈見どころ〉
多くが密室での会話劇のため、主演2人の演技合戦は見応えあり。もちろんネタバレ厳禁!
カリスマ女性社長が誘拐された! 犯人は、地球を救う陰謀論者⁉
韓国の伝説的カルト映画『地球を守れ!』を原作とするダークコメディ。『哀れなるものたち』のヨルゴス・ランティモス監督とオスカー女優エマ・ストーンが5度目のタッグを組んだ超注目作。本年のアカデミー賞で作品賞、主演女優賞など4部門ノミネート。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆奇才ランティモスも、このカオスを調理するのは苦戦したようだ。ただ、狂人と狂人を激突させ、ペシミズムと映画的剛腕を共存させる流儀はさすがの見応え。J・プレモンスも強力だが、A・デルビスの不思議な薄味が舌に残る。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆エロスとタナトスが混在する畏怖すら感じさせる美しいチラシ。妄想のようで現実なのか、わけのわからない展開にグイグイ惹き込まれた。だがエロティシズムのパワーや恐怖は全く感じず、期待しただけに心底がっかり。
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森直人(映画評論家)
★★★★★『地球を守れ!』のB級感を損なわず豪奢に仕立てた脚色に悶絶。大企業社長vs虐げられた陰謀論者の対決と分断から、高次への“視点の上げ方”も鮮やか。最新型の風刺劇でありつつ、星新一や筒井康隆のSFに通じる味も。
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洞口依子(女優)
★★★★☆鑑賞中は笑えたが観終わって茫然。この監督作中一番好みかも。死んだ牛から蜜蜂とは冬虫夏草的発想。『裁かるるジャンヌ』のルネを想起させるエマ、ジェシーに星。エンディング曲が“我ら人類は何を学んだのか”と問いかける。
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今月のゲスト
岡本真帆(歌人)★★★★★狂気と理性の境界が揺らぐ中、主演二人の葛藤と応酬が圧巻。結末には「こんなカタルシスがあるのか!」と衝撃を受けた。心地よく、癒やしにも似たこの不思議な感覚について、数日経っても考え続けてしまう。美しかった。
おかもとまほ/1989年生まれ、高知県出身。東京と高知の二拠点生活を送りながら、歌人、作家として活躍中。著書に、歌集『水上バス浅草行き』『あかるい花束』、エッセイ集『落雷と祝福』などがある。
- 最高!今すぐ劇場へ!★★★★★
- おすすめできます♪★★★★☆
- 見て損はない。★★★☆☆
- 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
- うーん……。★☆☆☆☆
©2025 FOCUS FEATURES LLC. 配給:ギャガ、ユニバーサル映画
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『ブゴニア』
監督:ヨルゴス・ランティモス
2025年/アイルランド・英・カナダ・韓・米/原題:Bugonia/118分
2月13日(金)~
https://gaga.ne.jp/bugonia/




