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複数回、研究でお邪魔しましたが、ちょうど組同士の抗争が始まり、事務所にも銃弾が撃ち込まれるという事件がありました。事件をきっかけに警察官の監視が厳しくなったこともあり、暴力団から元暴力団に軸足を移して研究を継続しました。
元暴力団の牧師との出会い
その調査地点が大阪の高津にある大阪弟子教会というところです。ここの主任牧師は、金沢泰裕さんという方で、かつては山口組系の暴力団幹部でした。
彼自身が暴力団を離脱して、神学校時代にアルバイトなどで苦労したこともあり、教会は暴力団離脱者の駆け込み寺として、住居、更生施設を兼ねていました。筆者もこの教会に住み込み、金沢牧師や、そこに住む元暴力団員の人たち、彼らの知人の暴力団員から話を聞きました。
この人脈は、雪だるま式に拡がり、後に半グレや準暴力団研究の時に、とても助かりました。
大阪弁、とりわけ河内弁は、耳が慣れず、聴取に苦労しましたが、ヤクザのサブカルチャー(言語や態度)は、筆者が若い当時に不良をしていたこともあり、ある程度は理解できました。人生の経験に無駄というものはないと痛感しました。結局、大学院は博士課程まで5年間研究しました。
本当は、それ以上、暴力団社会や半グレ、準暴力団の社会を研究するつもりはなかったのですが、暴力団排除条例(以下、暴排条例とも記載併用)が2011年以降、施行されたことを契機に、再び暴力団研究を継続することになったのです。