「あんまり人のは締めたくないですよ」
初場所14日目の1月24日。NHK大相撲中継で解説を担当した春日野親方は、率直な違和感を口にした。新大関・安青錦(21)の“まわし”についてだ。
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なぜ“師匠のお下がり”を締めていたのか
安青錦はその2日前、トレードマークだった青いまわしを、師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)から譲り受けた黒色のものに変えたことが話題となっていた。
「力士が本場所でつけるまわしは『締め込み』と呼ばれ、値段は100万円前後。後援会や支援者から贈られるのが一般的ですが、本場所中に変更するのは異例のこと。しかも、師匠のものとはいえ、要は他人のふんどしです。理由を聞かれた安青錦は『特にない』と、そっけなく語っただけでした」(相撲担当記者)
それでも、安青錦が2場所連続優勝を決めると、不可解な締め込み変更も師弟の美談として報じられた。
「安治川親方は『本人が黒にしたいと言った』、『自分も一緒に戦っている気になる』と上機嫌で話していました」(同前)
だが――。事情を知る角界関係者は舞台裏をこう打ち明けるのだ。
「本当の理由は別にあります。安青錦に青い締め込みを贈呈したタニマチのA氏が、安治川親方夫婦と絶縁したんです」
安青錦をかわいがっていたが…
2019年に現役を引退した安治川親方は、22年暮れに伊勢ヶ濱部屋から独立。翌年、都内に新築の安治川部屋を構えた。
「安治川親方は、伊勢ヶ濱部屋時代に知り合った会社経営者のA氏に支援を頼み込んだ」(同前)
A氏は安治川部屋の後援を快諾。安治川親方を物心両面から支え、部屋の弟子たちにも食事をご馳走したり、小遣いを渡したりして面倒をみたという。その中の1人が、戦禍のウクライナから来日し、瞬く間に安治川部屋の関取第1号になった安青錦だった。
「関取といえば、部屋の稼ぎ頭。A氏は安青錦もかわいがっていたが、おかみが内心それをよく思っていなかったようです」(同前)

