いま日本のホテル業界は、訪日外国人旅行者増=ホテル活況という構図が続いている。では、全国各地のホテルを取材する中で、特に「インバウンド活況」を実感するエリアとはどこだろうか? 答えは、大阪の「難波・心斎橋」だ。

 道頓堀橋の周辺を歩くと、「日本人は自分だけ!?」と錯覚してしまうほど街は多くの外国人観光客にあふれ、異国の言葉が飛び交う。ホテルで外国人ばかりにすれ違う。今回は何かと話題が多い「大阪ホテルシーン」の具体例をご紹介しよう。

 

東京にしかないホテル、大阪にしかないホテル

 富裕層のインバウンドに人気なのが外資系ブランドだ。東京のホテルシーンでは、すでに各ブランド出揃った感がある。たとえばハイアット。東京にあって大阪にはない「パークハイアット」や「グランドハイアット」といった人気定番ブランドは、もはや高級ホテルの代名詞的存在となっている。さらに東京では「ハイアットセントリック」といった新興ブランドの進出も話題に。2013年、満を持しての大阪開業で話題を集めた「インターコンチネンタル」も、東京や横浜ではいち早く90年代には誕生していた。

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ラグジュアリー感覚溢れるコンラッド大阪の客室

 一方、大阪で特徴的なのは「ザ・リッツカールトン」で、1997年開業と東京よりもかなり先んじていたし、2010年10月開業の「セントレジス」はいまだ大阪のみ。また、マリオットブランドは両都市にあるものの、最近の動きでは大阪のほうが目立っている感がある。たとえば2014年にあべのハルカスに誕生した「大阪マリオット都ホテル」はかなりの話題を呼び、2015年の「コートヤード・バイ・マリオット新大阪ステーション」のリブランドオープンも、新大阪駅近接の外資系誕生で話題に。こちらはヒルトン系列であるが、2017年6月の「コンラッド大阪」開業は、大阪のデラックスホテルシーンにとって大きなニュースとなった。また、2017年11月にはマリオットブランドの廉価版ともいえる「モクシーホテル」も進出(東京・大阪同時開業)と、何かと賑やかなニュースが多い。

8月1日に開業した「オークウッドホテル&アパートメンツ新大阪」

 高級ホテルのようなサービスが受けられるとして人気のサービスアパートメントも、大阪で動きが出てきた。ワールドワイドな高級ブランドとして知られる「オークウッド」は、すでに東京で多店舗展開し人気を博してきたが、2018年8月1日には初の大阪進出となる「オークウッドホテル&アパートメンツ新大阪」を開業。サービスアパートメントとホテルのハイブリッド施設として、高級ホテルに匹敵するサービスはもちろん、豊富なオプションも提供していくという。