演じる3人も、若い頃からスター街道ど真ん中を歩んできた反町、名バイプレイヤーとして、サブカル色の強い作品にも数多く出演し、日本の映像界を支えてきた大森、そして、声優を主戦場としてキャリアを築いてきた津田と、その“出自”は三者三様。それが役柄と絶妙に響き合う。

 3人は中学時代、一緒に映画研究会で自主映画を作った仲間。

 ちなみに、本作のタイトル『ラムネモンキー』は、『ドランクモンキー 酔拳』をオマージュして彼らが作った映画『ラムネモンキー 炭酸拳』から来ていることが、第3話で明かされる(このタイトル回収もおたく心をくすぐる仕掛けだ)。

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『ドランクモンキー 酔拳』(Amazonより)

 その映画研究会の顧問となったのが、臨時教員としてやってきた「マチルダ」こと宮下未散(木竜麻生)。

 だが、彼女は1988年12月31日に突如行方不明になっていた。

 物語は、その真相を追うミステリーだ。

「ふてほど」「もしがく」にも通ずる、昨今のトレンドを抑えた設定だが…

 学生時代の仲間が再び集結して、ミステリーが展開されるのは、前期の『良いこと悪いこと』(日本テレビ)や今期の『再会~Silent Truth』(テレビ朝日)など昨今のトレンドといえる。

 また、宮藤官九郎の『不適切にもほどがある!』(TBS)や三谷幸喜による『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ)など、「昭和」的な世界を懐古する作品も少なくない。

 古沢良太による本作もそれらの系統にあるといえるだろう。

 そうした中で古沢がテーマのひとつに選んだのが「記憶の書き換え」だった。

 第1話の冒頭、ある夜の記憶が描写される。

 マチルダは空を見上げながら3人に言う。

木竜麻生演じる「マチルダ」こと宮下未散 『ラムネモンキー』公式サイトより

「私は、私の世界に帰るわ。月の彼方。M78星雲、イスカンダルの近く」

 驚く3人にマチルダは続ける。

「君たちには悪いけど、私との記憶はすべて消し去る」

 すると、眩い光とともにUFOがあらわれ、マチルダがそれに吸い込まれていく。

 それが、本当にあった出来事なのか、どこまでが事実で、どこからが妄想なのか、わからない。

 それはこの場面だけではない。

 3人の確かな記憶として残っている、自分たちの映画の上映会すら、どうやら中止になっていたようだ。

 確かに撮影された13本のビデオテープは存在する(そのうち1本は所在不明)。だが、完成版は見当たらない。

「夢か、幻のようだね。あの頃ここにいた人たち、どこに行ったんだろう?」とキンポーは言う。

「本当に存在してたのかって。中二おたくの妄想だったんじゃないかって」