「つい集めてしまう」「捨てられない」「自然と集まっていた」……。なぜかモノを“蒐集”してしまう人たちがいる。一体彼らはどのような思いで、特定のアイテムに夢中になっているのか。

 ここでは、年齢も職業も住む場所も異なる彼らの生活に迫った『コレクターズパレード 100人の収集生活』(小鳥書房)の一部を抜粋。平成6年生まれで観光パンフレットの魅力に取りつかれ、1000冊以上を自宅に保管する津村さんの収集生活に迫る。

何冊あるかと数えてみたが1000を超えたところでやめた

◆◆◆

ADVERTISEMENT

観光パンフレットを熟読する

 駅や観光案内所、様々な施設、町の片隅で、パンフレットやチラシが並んだラックを見かけると心が躍る。はやる気持ちを落ち着かせつつ、縦長の紙や冊子を片っぱしから手に取り、そっと鞄に入れて持ち帰る。

 パンフレットは、ごくありふれた広報物だ。パラパラと適当に眺めれば、自分には不要な情報の羅列。しかしじっくり見ていくと……おや? 

 地図の中には、妙にヒレの長い鯉のイラスト。ヒレナガ錦鯉という種類らしい。

 説明なくポンと絵を見せられるとまるでUMAのよう!といった具合に、面白い箇所が必ず見つかる。

パンフレットは本棚左下から机の下、キャビネット前へとその領土を拡大し続けている

 大仰なキャッチコピーの愉快さや、未知のご当地マスコットの妙な可愛さ、矛盾する文章に感じる不条理、はたまた異様な美しさのある写真。それらを、丁寧に読み込んで見つけだす過程が楽しい。

 お気に入りは、とある民家園のもの。モノクロ地図に素朴な直線ツールで描かれたアイコンが並び、トーンが貼られている。研ぎ澄まされた美しさ。眺めてはため息をつく。

次の記事に続く 「こうして並べると綺麗でワクワクしませんか?」チーズの“ラベル”を剥がし集めて20年…コレクションを続ける女性が嘆く最近のメーカーの“残念な傾向”とは