帰宅した夫が目にしたのは、腹部を切り裂かれた臨月の妻と、そのそばで産声を上げる胎児だった。1988年、名古屋で起きた前代未聞の凶行。
「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」のその後を、宝島社の新刊『日本の未解決事件100 犯罪から読み解く「昭和」「平成」「令和」史』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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腹を切り裂かれた妊婦
1988年(昭和63年)3月18日午後7時40分ごろ、名古屋市に住む主婦・守屋美津子(当時27歳)が、自宅アパートで殺されているのを帰宅した夫の慎一(当時31歳)が発見した。
臨月だった美津子は電器コードで絞殺されており、財布が奪われていた。
異様だったのは、遺体の腹部が切り裂かれ、胎児が生きたまま泣き声をあげていたことだった。そして遺体の腹部には自宅に設置してあった電話機とキーホルダーが詰め込まれていた。
妊婦を殺し、胎児を取り出すという猟奇的殺人事件。警察は精神異常者や変質者を中心に、捜査を開始した。すると、いくつかのことが分かってきた。
