差出人不明の封筒が、炎を上げた――。昭和37年、地下鉄銀座線を震撼させた連続爆破事件。犯人は“草加次郎”を名乗り、人気絶頂の18歳女優にも脅迫状を送りつけた。アイドル狙いの異常者か、冷酷な爆弾強盗か。1万9000人を動員しても掴めなかった恐怖の爆弾魔に迫る。

 宝島社の新刊『日本の未解決事件100 犯罪から読み解く「昭和」「平成」「令和」史』より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)

写真はイメージ ©getty

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人気絶頂「吉永小百合」を狙った爆弾マニア

 1963年(昭和38年)9月5日、地下鉄銀座線京橋駅の構内で、発車直前の車両座席下で爆弾が破裂。

 10人が重軽傷を負う事件が発生した。

 この爆発事件は、後に連鎖する日本のさまざまな「爆破事件」の原点にもなったと言われるが、この犯行こそ「草加次郎」を騙る人物によるものだった。

「草加次郎」が初めて確認されたのは、前年1962年(昭和37年)11月4日のことである。

 この日、人気歌手・島倉千代子の後援会事務所に差出人のない封筒が届いた。男性スタッフが開封し、なかに入っていた筒のなかの紙を引くと封書は炎を上げて燃え、男性は全治2週間の火傷を負った。

 筒には「祝」「呪」といった不気味な文字のほか「草加次郎」という名前が記されていた。

 これを皮切りに、都内の映画館などで連続爆発事件が発生する。