今年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)に出演し、現在公開中の映画『ほどなく、お別れです』で目黒蓮とW主演を務める浜辺美波は、現在もっとも安定感のある若手女優だろう。

 2023年度前期のNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『らんまん』に朝ドラヒロインとして出演し、2023年に大ヒットした山崎貴監督の怪獣映画『ゴジラ-1.0』でヒロイン役を務めた浜辺美波は、今や日本人にとっては「国民の娘」を通り越して「国民の正妻」と言える存在で、映画やドラマの大作には欠かせない存在となっている。

浜辺美波 ©文藝春秋

子役としてキャリアを積み重ねていった

 浜辺美波は、2011年に開催された第7回「東宝シンデレラ」オーディションのニュージェネレーション賞を10歳の時に受賞し、芸能界デビューした。

ADVERTISEMENT

 同賞は第1回(1984年)のグランプリで沢口靖子、第5回(2000年)グランプリで長澤まさみを輩出した国民的女優の登竜門と言えるオーディション。

 ちなみに浜辺が受賞した第7回では、上白石萌歌がグランプリ、上白石萌音と山崎紘菜が審査員特別賞を受賞するという豊作の年だった。

 同年、浜辺はショートムービー『アリと恋文』で女優デビュー。2012年の連続ドラマ『浪花少年探偵団』(TBS系)等に出演し、子役としてキャリアを積み重ねていったが、大きな転機となったのが2015年。

アニメファンから絶賛された「ワンピースの少女」

 この年に浜辺はファースト写真集『瞬間』(ワニブックス)を発売し、2015年度前期の朝ドラ『まれ』(NHK)にゲスト出演。そしてSPドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(フジテレビ系、以下『あの花』)のヒロインのめんま(本間芽衣子)を演じ話題になる。

『あの花』は人気アニメを実写化した作品だ。アニメや漫画といった2次元のビジュアルが先行している作品をドラマや映画で実写化すると、どうしてもズレが生じてしまう。

 だが、本作は可能な限りアニメの映像に近づけようとしており、その完コピへの情熱が面白い効果を生み出していた。

 その象徴が浜辺の演じるめんまだ。彼女は主人公の宿海仁太(村上虹郎)にだけ見える幽霊の少女だが、アニメと同じ白いワンピースを着た長髪の少女となっている。

 幼い時に亡くなっためんまは何故か成長した姿で仁太の前に現れるのだが、精神年齢は幼い時のままという少女と幼女の中間のような存在だ。

 その意味でもアニメだからこそ成立する幻想的なキャラクターなのだが、浜辺はめんまを見事に演じきっており、アニメファンの間でも話題になった。

 彼女の女優としてのキャリアを考える時、ここでめんまを演じたことは、とても大きかったように感じる。