セーラー服の似合う「実写界のプリンセス」へ

 翌年(2016年)、浜辺は深夜ドラマ『咲-Saki-』(MBS・TBS系)でドラマ初主演を果たす。

 本作は小林立の同名漫画(スクウェア・エニックス)を連続ドラマ&映画化した作品で、麻雀が社会に浸透した架空の日本を舞台に、麻雀部の女子高生たちが麻雀で競い合う姿を描いた青春物語だ。

 浜辺が演じる宮永咲はショートカットにミニスカートのセーラー服が印象に残る華奢な女子高生で、普段は弱気で消極的な性格だが、卓越した麻雀のセンスがある。

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 本作の宮永咲もめんまと同じく漫画やアニメといった2次元だからこそ成立する少女だ。そのため実写で演じるには難しい役だったが、浜辺のビジュアルと芝居は見事にハマっていた。

 浜辺たちが演じる麻雀部の女子高生たちのルックスは漫画に寄せており、実写で成立するギリギリのラインだったが、浜辺だけでなく山田杏奈や浅川梨奈といった若手女優の演技が上手くハマったことで、面白い作品に仕上がっていた。

『豊臣兄弟!』公式Instagramより

 少し余談となるが、2010年代に10代だった若手女優の多くは漫画やアニメを原作とするドラマや映画にたくさん出演している。

 その際に原作ファンから厳しい目を向けられ、毎回苦労しているのだが、実写ならではの3次元の生々しい芝居に変換するのではなく、極限まで原作にある2次元のキャラクターに寄せる2.5次元の芝居がうまくできるかどうかが、女優としての成功条件だったように感じる。

 だが、このバランスはとても難しく、2次元に寄せてキャラクター性を打ち出すだけだと、不自然なコスプレ芝居となってしまい、違和感が強まってしまう。

 そのため、生身の人間らしさを保ちながらも、記号的なキャラクター性を不自然にならない形でブレンドするという独自のセンスが求められるのだが、浜辺美波はそのバランス感覚が抜群で、記号的なキャラクターを自然に演じることができる2.5次元のセンスが突出していた。