筋肉と腎臓の深いつながり

――運動は腎臓に影響がありますか。

髙取氏 筋肉量を維持することも腎臓の機能を保つ上で重要です。最近の研究で、筋肉からマイオカインという生理活性物質が分泌されて、それが腎臓を保つことが報告されています。

――どのような運動が良いのでしょうか。

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髙取氏 激しい運動よりも有酸素運動がいいです。筋肉をつければつけるほどいいというわけでもないので、心地いい範囲で、筋肉量を維持することが大切です。

大切なのは「空腹の時間」を作ること

――腎臓のアンチエイジングについて教えてください。

髙取氏 腎臓を若々しく保つには、大きく2つの柱があります。1つは「カロリー制限」、もう1つは「酸化ストレスを減らす」ことです。腎臓は体内の老廃物を濾しとるフィルターなので、過度な負担をかけないことが老化を防ぐ基本になります。

――「カロリー制限」は何から始めればいいのでしょうか。

髙取氏 大切なのは「空腹の時間」を作ることです。例えば、最近よく聞く「16時間断食」のように、食事をしない時間を設けると、体は軽い飢餓状態になります。すると、体内で「サーチュイン遺伝子」という長寿遺伝子が活性化します。この遺伝子は傷ついた細胞のDNAを修復し、老化の進行を遅らせる働きがあります。

 

――空腹の時間を作ることが、細胞レベルでの若返りにつながるのですね。

髙取氏 空腹時にはもう一つ、「オートファジー」という重要な機能も働きます。これは、細胞内の古くなったり壊れたりしたタンパク質を分解し、新しいものに作り替えるリサイクルシステムです。このオートファジー機能が腎臓の老化防止に不可欠であることが分かっており、カロリー制限によってこの働きを活発にすることが、腎臓を若く保つ秘訣です。

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