日本女性の社会進出とともに右肩上がりに急増しているのが子宮体がんだ。閉経後に罹患ピークを迎え、初期症状に気づかず放置する人も少なくない。早期発見法から生活習慣まで、子宮を守る6つの予防法を実践しよう。(初出:「週刊文春 電子版」2025年11月27日号配信)

罹患者数は30年で10倍近くまで増加

「女性のがんの中でも、近年、右肩上がりに増加しているのが子宮体がんです。現代女性の生活習慣の変化に伴い、子宮のがんの半数以上にまで急増しています。放置し進行すれば、直腸や膀胱など骨盤全体から全身に広がり、死に至ることもある。罹患のピークは更年期世代。シニアの女性は特に注意すべきです」

子宮のがんの半数以上

 そう警鐘を鳴らすのは、老年科専門医で、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授である。

 これまで40年以上に渡って、老年病(高血圧症や糖尿病、動脈硬化などを指す)の研究を続けてきた。

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「子宮がんは、子宮頸がんと子宮体がんの2種類に大別されます。子宮内膜から発生する子宮体がんは閉経後の5、60代で患者が急増します」

 国立がん研究センターの統計(2021年)によれば、子宮体がんの罹患者数は1万9071人。1990年の罹患者数は2000人を切っており、30年で10倍近くまで増えている

 一方、子宮頸がんの患者数(21年)は1万690人。子宮体がんより、1万人ほど罹患者は少ない。

「子宮頸がんの主な原因は20代など、若い頃にヒトパピローマウイルスに感染することです。そのため、子宮頸がんワクチンの接種による予防が効果的です。子宮体がんは、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの影響が大きく、少子化や晩婚化、食生活の欧米化を背景に現代女性に広がっています。そのため、子宮体がんの罹患者数は今後も増加傾向が続くと予想されています」

 国立がん研究センターの「全国がん罹患数・死亡数・有病数の将来推計データ」(2015〜54年)を見ると、子宮体がんの罹患者数は25〜29年が2万7753人。30〜34年が3万2288人と推計されており、今後10年で4500人以上も増える計算だ。